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2019.09.12 
ウンカ、カメムシに注意を 病害虫発生予報第7号 農林水産省一覧へ

 農林水産省は9月11日、向こう1か月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)を発表した。
 

 水稲では、トビイロウンカの発生が、東海、近畿、中国、四国、九州の一部地域で多くなると予想。四国と九州の一部では警報も発表された。また、斑点米カメムシ類など地域によっては多くなると予想されている病害虫があるので注意が必要だ。

 野菜類では、シロイチモジヨトウの発生が、東海、近畿、四国の一部地域で多くなると予想。
 果樹では、果樹カメムシ類の発生が、南関東、北陸、東海、近畿、四国、南九州の一部地域で多くなると予想している。このほか、もものせん孔細菌病など、地域によっては多くなると予想される病害虫があるので注意が必要だ。
 また、7月3日に鹿児島県で初めて発生が確認されたツマジロクサヨトウは、9月11日時点で18県で確認されている。

【水稲】
▽トビイロウンカ:東海、近畿、中国、四国、九州の一部地域で多くなると予想される。愛知県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県、鹿児島県は注意報を発表。愛媛県、福岡県、熊本県および宮崎県は警報を発表した。
 本虫は、梅雨時期に中国大陸から飛来し、今後の天候が高温少雨傾向になると水田内で急激に増殖し、一部に集中して稲を枯れさせ倒伏させる被害(坪枯れ)を引き起こす。また、近年では一部の薬剤に対し抵抗性を持つトビイロウンカの飛来が報告されている。水田を見回る際は、株元を注意深く観察し、株元に成虫または幼虫を確認した場合は、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、速やかに防除を実施すること。

▽斑点米カメムシ類:北東北、中国、四国の一部地域で発生が多くなると予想。秋田県、山形県、鳥取県、山口県、愛媛県、高知県は注意報を発表した。本虫は、水田周辺の雑草に生息し、出穂期以降になると水田に侵入し穂を加害する。近年は、移動性が高い飛翔性のアカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメの発生が多い。水田の観察を行い、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に適期に防除を実施すること。

▽コブノメイガ:南関東と四国の一部地域で発生が多くなると予想。水田の観察を行い、発生状況に応じて適期に防除を実施する。

▽いもち病:東海と四国の一部地域で発生が多くなると予想。秋田県、福岡県、長崎県は、注意報を発表した。向こう1か月予報によると、気温は全国的に高くなり、降水量は西日本を除き平年並みか多くなると予想。本病の発生に助長的な気象条件ではないが、葉いもちの発生を確認した水田で断続的な降雨がある場合は、急激に発生が拡大するおそれがある。水田の観察を行い、本病の発生状況に応じて適期に防除を実施すること。

【野菜・花き】
<ねぎ>
 アザミウマ類の発生が、北東北、南関東の一部地域で多くなると予想。本虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介する。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施すること。本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすい。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に薬剤を選定するなど防除を的確に実施する。

<野菜・花き共通>
 シロイチモジヨトウが、東海、近畿、四国の一部地域で多く発生すると予想。京都府は注意報を発表した。幼虫の生育が進むと薬剤の効果が低下する場合がある。ほ場の観察をきめ細かく行うとともに、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に適期に防除を実施する。

【果樹】
<かんきつ>
▽ハダニ類の発生が、北陸と四国の一部地域で多くなると予想。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施する。なお、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすい。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けること。
▽そうか病の発生が、東海、四国、沖縄の一部地域で多くなると予想。向こう1か月予報によると、降水量は西日本を除き平年並みか多くなる。本病の発生に助長的な気象条件となることから、園内を注意深く観察し、り病部の除去し園外に持ち出して処分する。

<なし>
▽黒星病の発生が、南東北と北陸の一部地域で多くなると予想。福島県は注意報を発表した。園地を注意深く観察し、り病部の除去、薬剤散布等の防除を実施する。また、一部の薬剤に対して耐性菌が発生している。薬剤散布は、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、的確に防除を実施する。

<もも>
▽せん孔細菌病の発生が、南東北と甲信の一部地域で多くなると予想。福島県、山梨県、長野県は注意報を発表した。本病は、前年に多く発生した場合、翌年の春型枝病斑の発生が多くなる。本年、多く発生した園地では来年の発生を抑えるため、収穫後にり病枝の切除や薬剤散布による秋季防除を的確に実施すること。

<りんご>
▽ハダニ類の発生が、北東北と北陸の一部地域で多くなると予想。園内を注意深く観察し、発生状況に応じて防除を実施する。なお、本虫は薬剤抵抗性を獲得しやすい。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に同一系統の農薬の連続使用を避けること。
▽黒星病の発生が、南東北の一部地域で多くなると予想。園内を注意深く観察し、伝染源となるり病部の除去、薬剤散布等の防除を実施する。また、一部の薬剤に対して耐性菌が発生している。薬剤散布は、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に効果的な薬剤を選定し、的確に実施する。
▽斑点落葉病の発生が、南東北と東海の一部地域で多くなると予想。向こう1か月予報によると、気温は期間の前半で全国的に高くなり、降水量は西日本を除き平年並みか多くなる。本病の発生に助長的な気象条件となることから、園地を注意深く観察し、適期に薬剤防除を実施する。

<果樹全般>
▽果樹カメムシ類の発生が、南関東、北陸、東海、近畿、四国、南九州の一部地域で多くなると予想。岐阜県と香川県は注意報を発表した。本虫は、主に薄暮時に餌を求めて園地に移動し、かんきつ、なし、かき等の果実を加害する。本虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県が発表する発生予察情報等を参考にしつつ、園内を注意深く観察し、飛来を認めた場合は、飛来初期から防除を実施すること。

◎ツマジロクサヨトウ対策について
 ツマジロクサヨトウの発生が、7月3日に鹿児島県で初めて確認されて以降、福島県、茨城県、千葉県、神奈川県、三重県、岡山県、山口県、広島県、愛媛県、高知県、九州全県と沖縄県でも確認された。本虫の防除には、早期発見が重要であることから、疑わしい虫を見つけた場合は、都道府県病害虫防除所または植物防疫所まで連絡をすること。


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