【豚コレラ】防疫指針の改正へ 連日議論-農水省2019年9月24日
農林水産省は9月20日に農林水産省豚コレラ防疫対策本部で予防的ワクチンの接種が可能となるよう特定家畜伝染病指針の改定に着手することを決定した。江藤農相は予防的ワクチンの接種へ転換することを決めた理由について、「関東という非常に飼養頭数の多い地域に広まってしまう懸念がある」ことや、発生県からはワクチン接種を認めない限り経営再開ができないとの声があることなどを挙げた。これを受けて農水省は食農審家畜衛生部会牛豚等疾病小委員会を開催し、論点や課題を整理。24日も防疫対策本部を開催し連日議論をしている。

9月24日に開催された農林水産省豚コレラ防疫対策本部。あいさつする江藤農相。
豚コレラは昨年9月9日に岐阜県岐阜市で26年ぶりに発生が確認されて以来、発生が続き今年9月22日には45例目(岐阜県恵那市)が確認された。
同農場の飼養頭数は8060頭。うち繁殖母豚が650頭だった。野生イノシシ陽性確認地点から10km以内にあって監視対象となっていた。
20日続き24日に開いた防疫対策本部で江藤農相は「これで恵那市では豚はゼロになった。飼養衛生管理基準の徹底をもっともがんばってやっていた農場ではないかと推察する。にも関わらず発生。事態はきわめて重大」と述べた。
これまでに発生県は岐阜、愛知、三重、福井、長野、埼玉の6県となっている。このほか発生農場から出荷された大阪府と滋賀県の関連農場でも確認された。防疫措置として殺処分された豚は14万頭を超えた。
江藤農相が指摘したように関東は飼養頭数が多く、群馬60万頭、茨城40万頭、千葉60万頭など3県合わせて160万頭にもなる。その関東圏の埼玉に飛び火。農林水産省が予防的ワクチン接種へ転換したのは発生確認から1年が過ぎても豚コレラの拡大を防げておらず、一大産地にまん延する懸念が出てきたからだ。
今後は牛豚等疾病小委員会でワクチン接種の対象地域や流通問題などを検討したうえで、大臣の諮問を受けて家畜衛生部会が答申する。
その後、改正案についてパブリックコメントを募集するとともに、都道府県知事の意見を聞くなどの手順を踏む。防疫指針が改正されると、知事の命令によってワクチン接種を行うことができるようになるが、江藤農相は自治事務だからと知事任せにせず、国と県が防疫対策を協議する場を設置する考えを示した。
また、ワクチンを接種した場合は、OIE(国際獣疫事務局)の基準上、非清浄国となる可能性が高いが、江藤農相は非清浄国であっても輸出ができるように輸出先国に交渉していく考えも示した。日本の豚肉の輸出先は香港、マカオ、シンガポール、カンボジア、タイなど。
農水省はワクチンの増産についてメーカーに依頼する。現在は100万頭分あり、そのほか更新が必要なワクチンが50万頭分あるが、今後2か月間内に使用するのであれば効果を担保できる品質だという。ただ、防疫指針を改正しても国民からのパブリックコメントの募集は基本的には1か月となっているため、すぐにワクチン接種ができるわけではない。江藤農相は24日の会見で更新が必要な50万頭分のワクチンを優先的に使用できるよう早期にワクチン接種ができる環境づくりの必要性も示唆した。
(関連記事)
・「豚コレラ」ワクチン接種へ防疫指針を改定へ-農水省(19.09.20)
・豚コレラ 封じ込めへ国と県連携を-大野埼玉県知事(19.09.18)
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・埼玉県で2例目を確認-豚コレラ国内43例に(19.09.17)
・イノシシからの感染 8割以上-豚コレラ(19.08.09)
・豚コレラ ネズミやハエが媒介の可能性-農水省検討会(19.05.22)
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