スマート農機で米単作から脱却、除草時間6分の1に-実証プロジェクトの効果2020年9月8日
農林水産省は令和元年度のスマート農業実証プロジェクトに参加する米農家に対して実証効果などを聞いたインタビュー動画を9月4日に公開した。農家からは労働時間の削減や、新たな品目栽培が実現し営農意欲も高まったなどの声が聞かれる。

スマート農業実証プロジェクトは、ロボット、AI、IoTなど先端技術を生産現場に導入、実証して経営効果を明らかにしてスマート農業の社会実装を加速化することを目的に令和元年度から始まった。
現在、全国148地区で実証を行っている。令和元年度に採択されたのは69地区でうち30地区が水田作となっている。今回動画でスマート農業の効果をインタビューで語っているのは8名の米農家だ。
北海道の新十津川町は道内有数の米どころとして「ゆめぴりか」をはじめ3500haを作付けしている。町内に大規模法人はなく320戸の家族経営が栽培しているが、将来は農家戸数は半減し1戸あたり30ha規模の作付け面積が予想されている。
こうしたことから大規模化への対応と労働力不足不足が課題となっており、町としてスマート農業技術体系の確立をめざしている。
町内の白石農園は家族4人で23haを作付け。実証事業で自動運転トラクタと農薬散布用のドローンを導入した。ドローンの操作研修に7日間必要だが、防除の時間はそれまでの2~3日が1日へと半減した。今の2倍の面積でも肥培管理が可能になるほか、周囲の農家と共同利用すれば地域全体でのコストダウンにつながるという。
短縮した労働時間を活用しトマト栽培も始めた。面積あたりの生産額は施設大玉トマトは米の40倍になる。「スマート農業は30~40haでも家族農業で経営できる。新しい技術を毛嫌いせずに挑戦する価値がある」と話している。
茨城県下妻市の(株)ライス&グリーン石島はスマート農業技術を活用した超低コスト輸出用米の生産に取り組んでいる。70haの水田のうち、水稲は55haを作付けている。単収15俵以上の多収品種を栽培し香港、シンガポールに加え米国にも輸出。コロナ禍で米国も外食は需要減だが小売りは堅調で昨年700tだった輸出量が今年は930tに増えるという。
導入したのは作業日誌を記録するスマートフォンアプリ。石島和美さんは「作業の見える化による情報の共有で次の作業も組み立てられる。記憶から記録へ。情報がなければコスト削減もできない」と話す。
国内は少子高齢化で需要が減るなか、輸出など新たな販路開拓が水田農業に求められている。「農業は世界でいちばん大事な仕事」と強調、スマート農機によって若い人が楽しく農業ができる環境づくりをめざす。
中山間地域での実証事業も取り上げられている。兵庫県養父市は84%が森林で鳥獣被害も多い。水田の平均面積は10a以下。高低差も大きい。ここで従業員3名で約170筆、17.8haで酒米を栽培しているのが(株)アムナック。導入したのは無線遠隔草刈機など。大きな斜面だと草刈りに1人で9時間ほどかかったという。それが機械の導入で1.5時間と6分の1に短縮した。「労働環境が改善したことで社員のモチベーションも上がった」と話す。集落と共生する中山間地域の持続可能な経営モデルを全国に発信したいと意気込みを語っている。
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