サツマイモ基腐病を県内で初確認 福岡県2020年11月2日
福岡県病害虫防除所はサツマイモ基腐病を県内で初めて確認し、病害虫発生予察特殊報第1号を10月30日に発表した。
上段:発生ほ場における茎葉の枯死(撮影日:令和2年10月26日)、下段:腐敗した塊根の外観(左)と切断面(右)
県南部のサツマイモほ場で、9月に株地上部の枯死や塊根の腐敗が見られ、これらの症状からサツマイモ基腐病が疑われた。そこで10月16日に九州・沖縄農業研究センターにサンプルを送付し、同定を依頼した結果、県内で未発生のサツマイモ基腐病菌(学名:Plenodomus destruens Harter)を確認した。
国内の発生状況は、平成30年に沖縄県で初めて確認され、同年に鹿児島県と宮崎県でも発生が確認されている。
病原菌は糸状菌の一種で、宿主作物はヒルガオ科(主にサツマイモ)。発病した場合、地際部の茎および塊根の茎に近い部分が黒色~暗褐色に腐敗する。病徴が進行すると、茎葉の枯死や塊根の腐敗が生じる。
また、この病は発病したつる(苗)や塊根、残さで伝染し、激しい風雨やほ場の停滞水により発病の拡大が助長される。
翌年に感染源を残さないための対策として、発病株は早期に除去し、ほ場外に持ち出して適切に処分する。周辺株への感染予防では、発病株の除去前と除去後に銅剤(Zボルドーまたはジーファイン)の散布を促している。
収穫後は茎葉を含むサツマイモの残さを速やかに除去し、ほ場から種芋を採取しない。また、発生ほ場で使用した資材や機材を別ほ場で使う際は、消毒や洗浄を十分に行うよう注意を呼びかけた。
次期作の留意点として、サツマイモ基腐病が発生したほ場では次作のサツマイモ栽培を中止し、輪作を行う。この病以外の病害対策も含め、ほ場の土壌消毒を行うとともに、排水が良好となるよう排水対策を実施する。
苗を育成する場合は、未発生のほ場から採取した健全な芋を選別し、苗床の土壌を消毒してから消毒した種芋を伏せ込む。
地際部から5cm以上切り上げて採苗し、採苗当日に苗を消毒した後、ほ場へ定植することとしている。
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