オリーブに県内初の病害虫 静岡県2020年11月25日
静岡県病害虫防除所は、同県で初めてオリーブカタカイガラムシ(カタカイガラムシ科)の寄生を確認。これを受け、11月20日に特殊報第3号を発表した。
未成熟成虫は背面に「工」字形の隆起がある9月下旬に静岡県東部地域のオリーブ生産者から、枝にカイガラムシ類が寄生しているとの報告があり、病害虫防除所が現地のほ場を調査。その結果、枝葉へのカイガラムシ類の寄生とこの種によって誘発されたすす病の発生を確認した。農水省名古屋植物防疫所清水支所に同定を依頼した結果、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)と診断された。静岡県中部・西部地域での発生実態調査では、生存虫は確認できなかったが、一部の苗で死亡虫を確認している。
オリーブカタカイガラムシが寄生した枝この種は世界中の熱帯・亜熱帯地方に広く分布し、環境省の移入種(外来種)リストでは国内での定着が報告されている。加害植物はオリーブ、カンキツ類、ガジュマル、アボカド、グアバ、マンゴー、モクタチバナ、アカテツ、コーヒーノキなど様々な樹木類に寄生する。 雌成虫は体長が3~4mmで楕円形~円形で、未成熟成虫のうちは淡褐色の扁平で背面に「工」字形の隆起がある。成熟した成虫になると、半球状に膨らみ、著しく硬化して光沢を欠いた暗褐~紫黒色をしている。
すす病が誘発された枝、葉、果実小笠原諸島や南西諸島では、野外で年に数世代を繰り返し、幼虫は周年発生するため、年間を通して幼虫~成虫が観察されている。一般的に単為生殖で、雌成虫は寄主に固着し卵を数百個産下する。
被害の特徴として、枝や葉に寄生し多発すると排泄液(甘露)で枝、葉、果実がべたついたり、すす病が誘発される。
現在、この種に対する登録農薬がないため、寄生された枝や葉は見つけ次第除去し処分する。 また、オリーブの苗を定植する場合は、この種の寄生に注意するよう呼びかけている。
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