白河市など4市が歴史的風致維持向上計画(第2期)の認定 農水省など2021年3月8日
農林水産省と文部科学省、国土交通省は3月5日、「歴史まちづくり法」に基づき、福島県白河市、茨城県桜川市、富山県高岡市、熊本県山鹿市の歴史的風致維持向上計画(第2期)を認定した。
歴史的風致維持向上計画は、日本固有の歴史的建造物や伝統的な人々の活動からなる歴史的風致を維持・向上させ、後世に継承するため、市町村が作成した計画。今回の認定により、全国で歴史まちづくり計画に取り組む83都市のうち、第1期計画を完了させ第2期計画の取組を進める都市は18都市となる。
<各認定都市の歴史的風致維持向上計画概要>
■福島県白河市
国指定の史跡「小峰城跡」や旧城下町とその周辺のまちなみが残る白河市。日本三大提灯祭りのひとつに数えられている白河提灯まつりや春の訪れを告げる風物詩となっている白河だるま市などの年中行事・祭礼や酒造業を中心とする伝統産業などが営まれ、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。第1期計画では東日本大震災で崩落した小峰城跡石垣や文化元年建築の旧脇本陣柳屋旅館蔵座敷等の歴史的建造物の保存・修復を計画的に行い、来訪者数の増加に繋がった。第2期計画では、小峰城清水門の復元や旧小峰城太鼓櫓などの整備を行うとともに、これまで整備してきた歴史的建造物などの活用を図る。
■茨城県桜川市
国選定の重要伝統的建造物群保存地区「桜川市真壁伝統的建造物群保存地区」を中核とし、歴史的建造物と真壁の町並みが残る桜川市。戦国時代の城下町の町割りが現在も残る中で真壁祇園祭の山車が引き回され、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。第1期計画では、歴史的建造物の保存修理と活用に取り組み、東日本大震災で被災した123件のうち、解体される建造物の数を9件に抑えることができた。そのほか、真壁陣屋跡を整備し、伝統文化の継承と情報発信に寄与する多目的複合施設を整備。第2期計画では、平安時代の歌人紀貫之の歌にも詠まれた名勝「桜川」に新たな歴史的風致を設定し、在来品種であるヤマザクラの育苗や樹勢回復を行うヤマザクラ保全事業、来訪者の利便性向上を目的とした公園整備事業を推進する。
■富山県高岡市
国宝「瑞龍寺仏殿、法堂、山門」やその周囲に広がる加賀前田家ゆかりのまちなみが残る高岡市。重要無形民俗文化財の「高岡御車山祭の御車山行事」や「越中福岡の菅笠製作技術」、鋳物づくりなどの歴史と伝統を反映した活動が営まれ、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。第1期計画では、重要文化財である勝興寺大広間と式台ほか11棟の保存修理事業等を実施。文化財に対する市民等の関心の向上が図られ、勝興寺周辺ではまちづくり協議会が発足し、景観協定の締結にも繋がった。第2期計画では古代にさかのぼる二上山丘陵の歴史的資産や継承される活動による歴史的風致を新たに位置付け、歴史的建造物の修理等を行う。また、金屋町など歴史的な町並みの保全、歴史と伝統を反映した工芸技術及び祭礼・年中行事等の継承と育成事業等を推進する。
■熊本県山鹿市
国指定の史跡「鞠智城跡」を有し、条里制の区画が残る農地を背景に行われる松尾神社の遷宮祭が行われる山鹿市。国指定の重要文化財「八千代座」を核とし、街道沿いのまちなみで山鹿温泉祭など、固有の風情を感じられる歴史的風致が形成されている。第1期計画では、歴史的まちなみ整備事業や山鹿灯籠の後継者育成等を計画的に取り組み、まちなみ景観の向上や新たに灯籠師が誕生するなど成果が現れている。第2期計画では、新たに日本遺産に認定された「米作り、二千年にわたる大地の記憶~菊池川流域「今昔『水稲』物語」~」に位置付けられた構成文化財等を活用し、市内の回遊促進を図る。
認定された計画の詳細は、国土交通省ホームページへを参照。
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