県内で初めてクマモトネグサレセンチュウを確認 広島県2021年3月9日
広島県西部農業技術指導所はキクに、これまで県内では未確認のクマモトネグサレセンチュウ(Pratylenchus kumamotoensis Mizukubo et al.)の発生を確認。3月4日に特殊報第4号を発表した。
キクの被害株の状態
広島県江田島市内のキク(品種名:神馬、精興光玉、秀そのか、晃花の富士)を作付けた10aの施設ほ場で、10月上旬頃から生育途中の株の葉の萎れや退色、萎凋が散見され始め、ハウス内に急激に広がった。症状が進行した株は萎凋して枯死したが、周辺ほ場での被害発生は確認できなかった。
広島県立総合技術研究所農業技術センターが被害株のあった畝から土壌を採取し、ベルマン法で線虫類を分離したところ、生土20g当たり203.7頭のネグサレセンチュウ類が分離された。12月中旬に同施設から被害株と土壌を採取し根と茎、土壌からベルマン法で線虫類を分離した後、神戸植物防疫所に同定を依頼。その結果、分離した線虫類は同県未発生のクマモトネグサレセンチュウと判明した。
またこの本種は雌雄が出現し、両性生殖を行う。農研機構の調査では発育零点は11℃。形態的特徴として唇部に2又は3体環を持ち、受精嚢の輪郭は楕円又は長円形で後部子宮枝が長い。食道線葉が背方や側方から腸に重なる個体の出現が多いことから、他の種と区別されている。
国内では1992年に宮崎県、熊本県、沖縄県など九州各地で発生が確認され、山口県でもこの線虫による被害が報告されている。広島県内の他地域の園地では、被害の発生や報告が確認されていないことから、広島県西部農業技術指導所では今後の発生状況を注視するとともに、防除対策の徹底を促していく。
防除対策では、キクのネグサレセンチュウ類で登録のあるダゾメット粉粒剤(商品名:バスアミド微粒剤、ガスタード微粒剤など)の薬剤を利用し、苗定植前に土壌消毒を行う。使用した機械や装具はまん延防止のため、使用後の洗浄と消毒の実施を呼びかけている。
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