高温予想で病害虫:斑点米カメムシ類増殖に注意 山形県2021年7月15日
各地の今後の天候予想をみると、今年の7~8月は高温になるというところが多い。そのため各地で病害虫の発生が平年より早まったり、いままで発生が見られなかった地域での発生が確認されているケースが見られている。なかでも、昨年西日本を中心に水稲に大きな被害をもたらしたウンカの発生が早まっているが、米の品質面で被害をおよぼす斑点米カメムシが早くも山形県で発生。山形県病害虫防除所は7月12日、斑点米カメムシ類の発生が平年に比べ多いことから、注意報第1号を発表し、注意を呼びかけている。今後、各地でも注意が必要だといえる。
アカヒゲホソミドリカスミカメ(写真提供:山形県病害虫防除所)
7月前半(7月5日~8日)に畦畔・農道で実施したすくい取り調査では、斑点米カメムシ類の発生確認地点率が79.5%(平年:75.9%)、平均すくい取り虫数は28.3頭(平年:17.1頭)と平年に比べ多い結果となった。
特にイネ科雑草が繁茂している場所では、100頭を超える斑点米カメムシ類がすくい取られたところもみられる。
向こう1か月の天候予測では、気温が高いと予報されており、斑点米カメムシ類の増殖や活動の活発化が推測される。
同防除所では、雑草対策など生息場所の密度を低減させる防除徹底を呼びかけている。
斑点米カメムシ類の畦畔・農道などの平均すくい取り虫数
〈防除方法〉
○出穂2週間前頃(7月中旬頃)までに畦畔、農道、休耕田などの除草対策を徹底し、生息場所での密度低減を図る。刈り取った草は放置せずに搬出する。
○休耕田などの雑草が繁茂している場所では、耕耘による除草対策も効果が高い。
○ アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメは移動性が高いことから、地域ぐるみで一斉に除草対策を行い、地域全体の密度低減を図る。
○出穂期前後の草刈りは、斑点米カメムシ類の水田侵入を促し、斑点米の発生を助長するため原則行わない。やむをえず草刈りを行う場合は、水田の薬剤防除計画に合わせて実施する。
○穂揃期および穂揃期7~10日後の2回の基本防除を徹底する。なお、ほ場の出穂状況をよく確認し、適期に防除する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日
-
農業高校生研修を開催 秋田北鷹高等学校、増田高等学校の生徒が参加 JA全農あきた2025年7月8日