主食用米作付け 6.5万ha減 作付け転換進む 2021年産米2021年7月29日
農林水産省は7月29日に開いた食糧部会に2021/22(令和3/4)年の米の需給見通しを示した。2021年産では主食用米を適正な需給とするため前年より生産量を36万t減らす必要があり、面積では6.7万haを主食用以外へ作付け転換するという過去最大規模の取り組みが求められていたが、農水省の調査では6.2~6.5万ha減となることが分かった。
農水省は都道府県別に2021年産の作付意向調査を実施してきた。
それによると主食用米の作付意向を昨年実績にくらべて「減少」と回答したのは4月時点では38県だったが、6月末時点では41県に増えた。
このうち「5%以上」減らすとした県は4月の2県から12県に増えた。北海道、東北、北陸の主産県で4月以降、当初計画より飼料用米など非主食用仕向ける「深堀り」が進んだ。また、西日本でも岡山、徳島、熊本、宮崎などで作付け転換が進んだ。
こうした意向調査をもとに集計した結果、全国の主食用作付け面積は前年比で最終的に6.2~6.5万ha程度の減少が見込まれるとした。これをもとに平年作を推計すると694~696万tとなる見込みで昨年11月に米の基本指針で示した2021年産米の適正生産量693万tとほぼ同程度となる見込みだ。
一方、6月末の民間在庫量は前年から約19万t増加し219万tとなった。また、需要量は前年の714万tから約10万t減少し704万tとなった。
在庫量は180~200万程度が適正在庫とされているが、その水準からすれば219万tは高水準となる。ただ、2020年産米を33万t長期保管し今年11月以降に販売する取り組みをJAグループが実施することにしており、農水省は33万tを除外した186万tが6月末時点での在庫になると見通しも示す。
また、2021/22年の需要見通しを1人当たりの消費量と人口の推計値で算出した結果、703万tなった。基本指針ではこれをこの1年間の需要量とし、主食用の作付け転換を進めた693万t程度の生産量となれば来年6月末の在庫量は210万tとなるとの指針を示した。
都道府県の意向調査で産地では主食用以外への作付転換への取り組みが進められたことが示された。また、5月、6月は2021年産米の生産量が抑制される見込みから2020年産米の契約数量がもっとも多くなっている。一方で生産量の見込みは平年作をもとにしており、平年作を上回れば需給状況も変わる。需給安定に向けまだ注視が必要になる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日