「輸出」予算倍増 みどり戦略に新規予算95億円-2022(令和4)年度概算要求2021年8月31日
農林水産省は8月31日、2022(令和4)年度予算概算要求を決定し財務省に提出した。総額は今年度当初予算額の16.4%増となる2兆6842億円を要求した。
公共事業費は8229億円で対前年比17.6%増、非公共事業費は1兆8613億円で同15.9%となっている。
公共事業のうち農業農村整備事業関係予算の要望額は5263億円で同18.4%となっている。
農業生産基盤の強化対策では、水稲からの作付転換による新たな園芸産地の育成、加工・業務用、輸出向け野菜の生産、労働生産性の向上が見込まれる果樹の省力樹形などを支援するほか、コロナ禍の影響で業務用から個人向けへと需要構造の変化に対応する花き支援対策なども盛り込んだ持続的生産基盤強化対策事業で199億円を要求した。
水田活用の直接支払い交付金では270億円増の3320億円を要求した。実需者と結びつき輸出米などの低コスト生産に取り組む地域再生協議会を支援するする水田リノベーション助成を組み込む。対象作物や交付単価は予算編成過程で検討する。また水田活用の直接支払い交付金の対象水田のうち、長期間水稲の作付けが行われていない水田についての扱いについても検討する。
麦・大豆生産の団地化推進や保管施設の整備支援など麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクトは40億円を要求。主食用米の調整保管による長期計画的な販売のための米穀周年供給事業は当初予算と同額の50億円を要求する。
また、需要が高まっているカンショや加工用バレイショなどの病害抑制と生産拡大に向けて新規事業として持続的畑作生産体系確立事業で21億円を要求する。
畜産・酪農における環境負荷軽減の取り組みの推進や、水田を活用した青刈りトウモロコシなど国産飼料の生産拡大に環境負荷軽減型持続的生産支援事業73億円などを要求する。
経営安定対策では収入保険の加入者が増加し国庫負担と事務経費が増大していることから29億円増の206億円を要求し、さらに加入促進を図る。
輸出促進関連予算は今年度当初予算額99億円のほぼ2倍の188億円を要求する。品目団体が行う海外における新規販路開拓や対象地域の規制や市場環境の調査などマーケットインによる海外での販売力の強化や、輸出産地の育成支援、地域の食品産業が連携して輸出先国対応の添加物への転換などに取り組むことも支援する予算を措置する。
また、外食産業の支援に新規に10億円を要求する。コロナ禍で感染防止や事業転換などのための運転資金の調達を支援する。
みどり戦略ではスマート農業技術や、ペレット堆肥の活用技術の社会実装の加速化など技術開発・実証事業に新規に65億円、みどり戦略の実現に向けて調達から生産、流通、消費までの各段階が取り組むモデル的先進地区の創出などを支援する「みどりの食料システム戦略推進交付金」を新規30億円、合わせて95億円をみどり戦略の新規予算として要求する。
みどり戦略の交付金では地方自治体のビジョンや計画に基づき、スマート農業の展開、有機農業の団地化や学校給食などで利用、栽培暦の改善等によるグリーン栽培体系への転換などを支援する。
また、調達から生産、消費までのフードサプライチェーンのなかでCO2抑制の取り組みを「見える化」し、消費者の行動変容を促す環境づくり、食料と環境を支える農業への理解を醸成する国民運動も展開する。
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