6月末に向け一層の飼料用米などへの作付転換を JAグループ2022年6月16日
JA全中は6月の理事会で「令和5年度水田農業対策等に関するJAグループの基本的考え方」を決めた。そのなかで2022(令和4年)産の取り組みとして、需給環境改善のため6月末の営農計画書の提出期限に向けて、主食用から飼料米などへの一層の転換が必要だとしている。
JAグループは、1月に「水田農業の中長期的な取り組み方向と4年産米にかかる取り組み方針」を決定した。
そのなかで2022(令和4)年産に向けて▽各事業を活用した主食用米からの作付け転換、▽麦・大豆・子実用トウモロコシの拡大に向けた取り組み、▽ナラシ対策などセーフティネットへの加入促進、▽集荷・販売についてのルールの厳格化などを確認し組織を挙げて実践することとしている。
作付け転換には、子実用トウモロコシも交付金対象となり、大幅に拡充された水田リノベーション事業や、麦・大豆対策など事業を最大限活用して取り組むことにした。
その結果、水田リノベーション事業は全国459協議会が採択された。採択率は99%と58%だった令和3年産とくらべると、各協議会からの要望についてはほぼ採択される結果となった。
しかし、4月末時点では必要とされる作付け転換面積3.9万haに対して、3.5万haの削減にとどまっている。
JAグループは主産地との個別意見交換や、主要JA巡回(18JA)などを実施し、主食用米からの作付け転換を推進してきた。
一方、民間在庫は引き続き高い水準で推移している。主産県のなかには4月末の民間在庫量が昨年4月末よりも多い県もある。このままでは需給緩和と米価の低迷が続くことが懸念されるとして、6月末の営農計画書の提出期限に向けて、作付けが終わった主食用米を可能な限り飼料用米に仕向けるといった「さらなる深堀りを強力に進めることが必要」とJA全中は強調している。
国は昨年比で3%程度の作付け転換が必要としているが、JAグループは各県の在庫や需要の減少を見込み、3%以上の削減をしなければ需給環境は改善せず、低米価が続く懸念している。6月末に向けとくに主産地に「強力な推進」を呼びかけている。
同時に需給緩和が継続し米価の回復までに時間がかかることも考えられるため、ナラシ対策などセーフティネットへの加入を積極的に推進する。ナラシ対策は、需要に応じた生産を後押しするため、加入者を「JA等と出荷契約を結んだ生産者」、「実需者と販売契約を結んだ生産者」などが対象となった。JAの働きかけが重要となる。
また、出来秋に米の需給と価格を安定させるためには、4年産での「深堀り」を前提としながらも、
3年産米の在庫対策とセットで行うことが必要だとしている。
具体的には3年産米の米穀周年供給・需要拡大支援事業について、2年産と同じように支援対象期間の延長や支援率の拡充を求めていくことにしている。
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