水活交付 検査院の改善要求受け単収基準など設定 年度中に通知を改正 地方会議でも周知 宮下農相2023年10月24日
会計検査院が10月23日に水田活用の直接支払交付金事業について収量確認が行われていないなど疑義のある交付があるとして農林水産省に改善を求めた問題で宮下農相は24日の会見で「指摘を真摯に受け止め今年度中に通知の改正に向けた手続きを進める」などと述べた。
宮下農相
会計検査院は2020、21年に交付された198協議会の延べ20万7925交付対象者に交付された約2393億円9600万円を検査した。
その結果、園芸施設が設置され水稲の作付けを行うことが困難な農地が交付対象となっていたり、収量の確認が行われていなかったり、地域の平均単収の2分の1未満となっているなど収量が相当程度低くなっていたにも関わらず、実際の収量に基づいた収量確認が行われていなかった事例などが確認された。
交付対象水田に園芸施設が設置されていたなどの交付金7035万円、確認書類の内容が収量を把握できないものなど100億9700万円、収量が相当程度低かった事例40億円などのうち、重複分を除く約135億円の交付金分について改善を求めた。
会計検査院は農相宛ての文書のなかで「海外依存度の高い麦、大豆、飼料作物等の(水田活用直接支払交付金の)対象作物の収量を増加させていくことは今後、ますます重要なものとなっている」との認識を示したうえで、改善処置を求めた。
求めている処置は、
▽実質的に水稲の作付けを行うことが困難であるかどうかを判断できるよう基準を定める
▽収量が記載されている書類を提出、保管するなどで収量を把握できるようにすること
▽飼料の自家利用については飼料作物の生産量や家畜への給餌量が記録された資料等の保管や提出で収量の妥当性を確認できるようにすること
▽地域協議会が収量が相当程度低くなっていないかなど実際の収量を定量的に確認できるようにすること、など。
宮下農相はこうした指摘について「真摯に受け止め改善処置要求を踏まえて今年度中に通知の改正に向けた手続きを進める」と表明したほか、本省で開かれる全国会議や、各地方ブロックで開かれる会議の場で説明し「関係者への周知を徹底することで交付金の適切な運用を進めていきたい」と話した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日