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パーパス経営の実践が次世代成長戦略のカギに 名和高司氏が日本共済協会セミナーで講演2023年11月9日

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(一社)日本共済協会(青江伯夫会長)は11月8日、2023年度のセミナーで一橋大学ビジネススクール客員教授・京都先端科学大学教授の名和高司氏が「志(パーパス)本経営の実践」をテーマに講演を行った。名和氏はSDGsだけでは達成できない、新SDGsとしてのパーパス経営の実践が次世代成長戦略のカギになると、その重要性を強調した。

資本主義(キャピタリズム)から志本主義(パーパシズム)へ

セミナーの冒頭に挨拶する青江伯夫会長セミナーの冒頭に挨拶する青江伯夫会長

セミナーの冒頭、青江伯夫会長が「世界で紛争が起き、国連をはじめとする国際機関が機能していない状況を見ると、協同組合の社会貢献についていろいろと考えさせられる。協会としてのメリットを生かしていきたい」と語った。

パーパス経営の実践について講演する名和高司氏パーパス経営の実践について講演する名和高司氏

続いて登壇した講演者の名和氏は、三菱商事を経て、外資系金融コンサルタント・マッキンゼーのディレクターとして約20年のキャリアと、デンソー、ファーストリテイリング、味の素、SOMPOホールディングスなど社外取締役として次世代成長戦略、全社構造改革などのプロジェクトに幅広く従事してきた経験から、パーパス経営の実践が次世代成長戦略のカギになると、その重要性を強調した。

「パーパスとは、目的、存在意義と翻訳されるが、私は道を極める人の志としている。そして(現代の)資本主義から(次代の)志本主義としてのパーパス経営が基本になると考えている。27年後の2050年には私も93歳になるが、人生100歳なので逃げ切れない」と会場を笑わせた。

そのうえで名和氏は「パーパス経営がブームとなっているが、その本質は何か、どう実践するか」と問いかけた。パーパス経営は「2008~2009年のリーマン・ショックの時が第一次ブーム、そして2019~2023年のコロナ、ウクライナ、米中摩擦、ガザの侵攻と世の中がおかしくなる中で第二次ブームが起きている」と語った。

2050年に向けた新SDGsで18枚目のカードとなるパーパス

2015年12月に採択されたパリ協定では、2030年までに達成するべき持続可能な開発目標(SDGs)として17の世界的目標と169の達成基準が示された。「時間軸で考えると2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量ゼロ)に向けて、2030年をゴールとするSDGsはその折り返し地点にあり、17の目標達成は今まさに黄色信号。その先の(2050年が)ゴールとなる新SDGsには、実は18枚目のカードがあり、これがパーパスに当たるため、しっかりと掲げていく必要がある」と名和氏。

SDGsから新SDGsに向かう2030年以降、サステナビリティ(持続可能性)は規定演技(17の目標)から自由演技(白紙)へ、デジタルからトランスフォーメーションへ、グローバルもボーダレスからボーダーフルへと変化する。

こうした時代の変化によって「顧客(消費者)市場では、人生100歳で価値観が変わり、今だけ・自分だけとならない、エシカル消費へと変わっていく。人財市場では、転職が当たり前の転職ネイティブがイケテル人となる。すると企業が人を選ぶのではなく、人から選ばれる時代にワークシフトが進んでいる。金融市場でもマネーシフトが起こり、企業がサステナビリティ(持続可能性)を掲げないと結果として、『ヒト・モノ・カネ』から見向きもされなくなる」と語った。

パーパス経営の実践で時価総額、株価が上がる会社に転換

パーパスの模式図パーパスの模式図

名和氏が2008年から8年間、社外取締役として係わった味の素の「ASV」エンゲージメント(働き甲斐を感じてやる気満々になる)の活動は、「パーパス経営が(社員の)やる気スイッチを押すことで、コーポレートブランド価値が上がり、時価総額、株価が上がる」などの相乗効果について語った。

具体的には、パーパスを実践して(社員が)自分事として取り組めるように表彰制度「ASVアワード」を実施したこと、健康寿命を伸ばす活動として取り組んだ愛知県での野菜の消費促進を図る「ラブベジ」や、東北地方で青森から始めた塩分を控える食生活を推進する「スマシオ」キャンペーンなどの事例を紹介。こうした実践から「ROEは10.3、ROICは6.9に上がり、株価は3.5倍になった」と振り返った。

また、パーパス経営の実践は、大企業だけでなく、下町ロケットを髣髴とさせる従業員が26人の仙北谷(神奈川県横浜市)のような金属加工業の会社や、京都の分析・計測機器メーカーの堀場製作所での「幸せを量産する」活動を紹介。「その会社らしい18枚目のカード(パーパス)を作ることが大事」と語った。

この他、パーパス経営の先進企業であるヤマハ発動機が実践する「感動サイクル」の事例から、「パーパスに火がつくと、創造性の高い仕事の量は2~3倍になり、売上げも伸びる」と語り、「Z世代と呼ばれる若手はパーパスが好き。(志に)火が付けば仕事も生活も楽しくなり、自分も組織も進化する」とまとめた。

一方、日本の残念なところは「(人に依拠した)匠での実践はスピードが遅いこと、(欧米のように)仕組みで落とし込んでいくことが重要」と指摘し、パーパスの3つの条件として、「社員と顧客双方の気持ちが『ワクワク』し、自分たちにしかできない『ならでは』と『できる』を感じられ、夢を話すだけで終わらせない達成感が生まれること」と定式化した。

最後に協同組合が行う共済事業について、名和氏は「企業とは違う、横でつながっている寄り合いとしての活動が大半だと思う。今の時代は公助でも自助でもなく、共助の活動が求められているので、協会にはその先駆けの活動を期待している」と締めくくった。

閉会の挨拶をする横山真弘専務理事閉会の挨拶をする横山真弘専務理事

閉会挨拶では横山真弘専務理事が「(パーパス経営の実践により)職員のエンゲージメントを高めることで組織の価値も高まる」とし、「協会としての情報発信の強化や共済事業に関する研究活動などを通じて会員団体との連携強化を図りたい」と語った。

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