「しっかりと多様な担い手を確保」 坂本農相就任会見2023年12月15日
宮下一郎氏の後任として12月14日に就任した坂本哲志農相は同日夜、就任会見に臨んだ。坂本氏は今後の農業政策では「人と農地の問題がもっとも大事。しっかりと多様な担い手を確保していきたい」と話した。
坂本新農相は会見の冒頭「わが国の食をめぐる情勢はこれまでと大きく変化、ロシアのウクライナ侵略にともなう食料の生産資材の価格高騰、気候変動による食料生産の不安定化、世界的な人口増加にともなう食料争奪の激化などによって、いつでも安価に食料を輸入できるわけではないということが明白になっている。高齢化も進んでいる。国民の食を守るため将来にわたって持続可能で強固な食料供給基盤を構築することが急務となっている」と指摘、そのなかで食料・農業・農村基本法を四半世紀ぶりに改正する作業が進められており、「いよいよ通常国会に改正案を提出するというこのタイミングで大臣に就任することになった。基本法が農政の基本的な方針としてふさわしいものとなるようしっかり取り組む」と意気込みを語った。
岸田首相からも基本法改正にしっかり取り組むよう指示があったという。
そのうえで課題は「人と農地の問題がもっとも大事。これからもしっかりと多様な担い手を確保していく。それによって400万haの農地を守っていくことを心がけながら法改正の進んでいきたい」と語ったほか、生産コストが上昇しても「なかなか価格転嫁が難しく、再生産ができないことから後継者が減少している。これをどう立て直すか」と課題を話し、「所得向上ができるように制度政策を作り上げていく、という意気込みでいる」と述べた。
就任直後に予算折衝に臨むことについては「いきなり予算折衝ということで戸惑いはある」としながらも、「これまで党の立場で食料安保のために予算を獲得するという気構えできた。その気持ちはしっかり持って予算の獲得をめざしていきたい」と語った。
今回の大臣交代のきっかけとなったパーティ収入の派閥からのキックバックなどの疑惑について、自らの派閥では「そういうものはないと承知している」と否定。「国民の信頼を回復するための努力を私も政権のなかで続けていかなければいけないと考えている」と述べた。
(さかもと・てつし)
昭和25年11月6日生まれ。熊本県出身。50年3月中大法卒。同年熊本日日新聞社入社(平成2年退社)。平成3年熊本県議会議員(四期)、15年衆議院議員初当選(第四三回総選挙)。現在まで当選7回。平成24年総務副大臣兼内閣府副大臣(25年9月まで)、25年10月衆議院農林水産委員長(26年9月まで)、令和2年一億総活躍担当まち・ひと・しごと創生担当内閣府特命担当大臣(少子化対策、地方創生)(3年10月まで。
重要な記事
最新の記事
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
米の販売数量 前年比で86.3%で減少傾向 価格高騰の影響か 3月末2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
備蓄米 小売業へ2592t販売 3月末の6倍 農水省2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日
-
5月1日「新茶の日」に狭山茶の新芽を食べる「新茶ミルクカルボナーラ」 温泉道場2025年5月1日
-
「越後姫」食育出前授業を開催 JA全農にいがた2025年5月1日
-
日本の米育ち 平田牧場 三元豚の「まんまるポークナゲット」新登場 生活クラブ2025年5月1日
-
千葉県袖ケ浦市 令和7年度「田んぼの学校」と「農作業体験」実施2025年5月1日
-
次世代アグリ・フードテックを牽引 岩手・一関高専から初代「スーパーアグリクリエーター」誕生2025年5月1日
-
プロ農家が教える3日間 田植え体験希望者を募集福井県福井市2025年5月1日
-
フィリップ モリス ジャパンとRCF「あおもり三八農業未来プロジェクト」発足 農業振興を支援2025年5月1日
-
ビオラ「ピエナ」シリーズに2種の新色追加 サカタのタネ2025年5月1日
-
北限の茶処・新潟県村上市「新茶のお茶摘み体験」参加者募集2025年5月1日
-
「健康経営優良法人2025」初認定 全農ビジネスサポート2025年5月1日
-
「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日