食品価格 値上げ「1割高まで」許容37.5% 内閣府世論調査2024年1月30日
食料・農業・農村基本法の改正で食料の適正な価格形成の仕組みづくりが課題の一つとなるなか、内閣府が実施した世論調査では食品の値上げを「許容できる」とした人は75.5%だった。また、環境に配慮した農産物であれば「高くても購入する」との回答は89.5%で、農水省は「なぜ高くなるか、理由を見える化する必要がある」と分析する。
この「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」は、基本法の改正とその他の関連施策の参考にするため昨年9月~10月にかけて実施し、2875人から回答を得た。
食品の値上げを許容する人は75.5%で許容度は「1割高まで」が37.5%、「1割高から2割高まで」が29.8%だった。「3割を超える価格でも」はわずか2.2%だった。
その一方、ここ2年食品価格が高騰していることについては、「価格の安いものに切り替えた」59.5%、「外食の機会を減らした」42.2%、「購入量を減らした」39.0%など(複数回答)となっており、食費を切り詰める厳しい実態も浮かび上がり、値上げを許容する考えとのギャップがあることも示された。農水省は「なぜこの価格になるのか、価格形成についてきちんと説明することが必要なことを示しているのではないか」と見る。
実際、「環境に配慮した生産方法で生産された農産物」について聞いたところ、「価格が高くても購入する」との回答は89.5%とほぼ9割となり、価格が高くなる理由があれば購入する考えは高まることがうかがえる。価格の許容度は「1割高から2割高まで」が26.6%ともっとも多く、次いで「1割高まで」が26.0%となった。
環境に配慮して生産された農産物を実際に購入したことがあるか聞いたところ「購入したことがあり、今後も購入したい」は37.0%で、「購入したことはないが今後は購入したい」が43.7%ともっとも多かった。
一方、購入したことがないや、今後も購入しないと回答した人に理由を聞くともっとも多いのが「どれが環境に配慮した農産物かどうか分からないため」が65.0%ともっとも多く、次いで「買いやすい価格でないため」32.3%、「近くの店で取り扱いがないため」27.0%となった。
この結果からは環境に配慮した生産をしても消費者に対して、表示などで「見える化」し発信する必要があることが分かる。生産者は「チャンスを逃している」とも言え、農水省は「環境に配慮した方法で生産された農産物を選んでもらえる環境を政府としても整えていく必要がある」としている。
なお、農業が環境に負荷を与えているということについて「知っている」は42.3%、「知らない」が55.2%だった。その要因について知っていることとして挙がったのは「牛などのゲップや排泄物により発生する温室効果ガス」70.1%、「化学農薬や化学肥料の不適切な使用による水質悪化」65.0%、「農薬の不適切な使用による多様な生物が共生できる環境の損失」59.7%などととなった。
環境に配慮した生産手法を推進することについて「地球温暖化を防止するために推進すべき」57.8%、「持続可能な未来のための目標であるSDGsの流れを踏まえると推進すべき」41.5%となった。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日