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【海外ニュース】EU農政にイタリア農家が抗議集会 環境規制「官僚は現場知らない」2024年2月13日

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フランスやドイツに続きイタリアでも1月末に始まったトラクターによる農家の抗議活動は2月10日、農民の代表が農業大臣と話し合いローマの中心、コロッセオ前などを2台のトラクターでデモ行進したことにより、収集すると思われた。しかし、現在でもローマを始め、イタリアの主要都市にトラクターが集まり、抗議運動を続けている。イタリア在住のジャーナリスト、茜ヶ久保徹郎氏が現場を訪ねた。

右がルカ・パパさん。左の農業者は南イタリアのプリアで穀類を生産している農場主。トラクタで300km以上も走って集会に駆けつけている。右がルカ・パパさん。左の農業者は南イタリアのプリアで穀類を生産している農場主。
トラクタで300km以上も走って集会に駆けつけている。

ローマ市郊外のトラクターの集合場所に行き、抗議を続ける農家の人に話を聞いた。

自分と妻、父親の3人でほし草,麦わら, 草などの動物の飼料を作っている農園の経営者であるルカ・パパさん(写真)。

「私は一週間前にシエナ(ローマの北250キロほど。キャンティ・ワインで有名な地域)からトラクターで来ました。代表が政府と話し合いましたが、未だ何も解決していません。

我々の要求は公表している10か条です。特に重要なことは、EU-ヨーロッパがグリーンディールと称して殺虫剤などの使用制限や、休耕義務を課していることなどです。
その一方、EU外から輸入している農作物の検査はほとんど行っていません。そのために価格は安く抑えられてわれわれイタリア国内の農家は赤字です。さらに多国籍企業のスーパーなどが農産物を安く買いたたき利益を上げている。現場を知らないヨーロッパの官僚が理想論で作る法律を変えさせなければならない」と怒っている。

EU農政にイタリア農家が抗議集会 環境規制「官僚は現場知らない」

イタリアの農家が要求する10項目は以下の通りだ。

1:グリーンディールプログラムの書き直しの要求。なぜならば「ヨーロッパの農業政策に対する環境保護主義は過激で農業生産と消費者に不利益をもたらすものである」から。

2:「我が国と同様の生産や健康に関する規制が施行されていない国からの農産物の輸入を禁止する」よう求める。 また、「農産物や食品の経済的ダンピングと闘う法律を制定する」ことも求める。

3:農業および食品に直接的または間接的に関係する法律を変更または改正する場合は、本物の農民と共同で技術的な検討を行う場の設立要求する。

4:土地を耕作してはならないという制限の撤廃 、「土地を耕作しないことに対する奨励金の即時廃止」、また「土地の4%を耕作しない制約と耕作を阻止することを目的としたあらゆる形態の補助金」の撤廃。

5:もう一つの要望は「農業における減税」であり、農民らによれば、これは「生産コストの増加と市場の衰退によって引き起こされる経済的危機を考慮し農業界にとって適切な税制を維持する」べきだという。

6:農家が目指しているもう1つのテーマは、「農業用ディーゼル燃料のコストを抑制するシステムの維持」。

7: 農家は「合成食品の市場参入を阻止する厳しい規制」の導入を求めている

8:適用される消費税率の改革。農家はそのプログラムの中で、「一部の一次食料品に対する消費税を削減、あるいは撤廃する」ことも目指しており、そのため適用される消費税率の改革を求めている。 ワインについては「最大10%(現在は22%)の適用」。

9:国家に対する要請は「野生動物の封じ込めを確実にし、それによって引き起こされる直接的および間接的な被害に対する補償に迅速に対応する」こと。

10:10番目、最後の要求は農民の地位を再評価すること。「学校から始めて農家と飼育者の姿を再認識し、それを強化し、環境汚染の責任であると指摘するのではなく、農家は環境の守護者であり、食料と生命の生産者として社会の基本的な人物である」ことを明記すること。

イタリアの農家の抗議の対象は自国政府でなくEUやヨーロッパの官僚と環境保護団体に向けられている。現場、現実を知らない官僚や環境保護団体に対する反発は相当に強い。

(茜ヶ久保徹郎)

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