斑点米カメムシ類 多発のおそれ 令和6年度病害虫発生予報第7号 農水省2024年9月12日
農林水産省は9月11日、令和6年度病害虫発生予報第7号を発表した。
向こう1か月の主要な病害虫の発生は、水稲では、斑点米カメムシ類の発生が、北東北、南関東、北陸、東海、近畿、中国と四国の一部の地域で多くなると予想されている。豆類では、吸実性カメムシ類の発生が、北関東、北陸、東海と近畿の一部の地域で多くなる予想。また、オオタバコガおよびハスモンヨトウの発生が、南東北、関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国と九州の一部の地域で多くなると予想されている。
この他、水稲の紋枯病など、地域によっては多くなると予想されている病害虫があるため、農水省は注意を呼びかけている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
水稲で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域・斑点米カメムシ類の発生が、北東北、南関東、北陸、東海、近畿、中国と四国の一部の地域で多くなると予想。香川県と高知県から注意報が発表されている。この虫は、多くの種が水田周辺の雑草に生息し、出穂期になると水田に侵入し穂を加害する。被害の程度は、出穂期、水田への本虫の侵入量、カメムシの発生種の構成等によって異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、水田の観察を行い、適期に防除を実施する。
・イネカメムシは、斑点米だけでなく、不稔被害も引き起こす斑点米カメムシ類の一種。近年、発生の増加や減収被害が報告されている。この虫は、他の主要な斑点米カメムシ類と異なり、水稲への嗜好性が高く、畦畔や水田周辺のイネ科雑草で確認されることは少ないため、本田での 発生状況をよく観察し、防除が必要な場合は適期に実施することが重要。特に、不稔被害を防止するには、穂揃い期以降ではなく、出穂期に実施することが重要。発生が増加傾向にある地域では、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、本田での発生状況を注視し、収量の確保に向け、効果の高い薬剤による出穂期の防除を実施する。
◎豆類
豆類で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域は次の通り
・吸実性カメムシ類の発生が、北関東、北陸、東海と近畿の一部の地域で多くなると予想。この虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、適期に防除を実施する。
◎野菜・花き
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎作物共通
・オオタバコガおよびハスモンヨトウの発生が、全国的に多くなるまたはやや多くなると予想されている。幼虫の成育が進むと薬剤の効果が低下するため、若齢幼虫期が防除適期になる。都道府県が発表する発生予察情報等を参考に、ほ場の見回り等による早期発見に努め、適期に防除を実施する。結球野菜では、結球内部に食入した場合に防除が難しくなることから、結球前に防除を実施する。
◎果樹・茶
果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域
◎果樹共通
果樹カメムシ類の発生が、南東北、関東、甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国と九州の一部の地域で多くなると予想。山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、兵庫県と佐賀県から計8件の注意報が発表されている。今後、当年世代(越冬世代以降の世代)を中心に、餌を求めて園地を移動するようになる。今年の越冬世代の発生が多かった地域では当年世代の発生量に注意が必要。
この虫の飛来状況は地域や園地により異なるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施する。また、果樹カメムシ類は薄暮期から夜間を中心に活動するため、夕方の薬剤散布が効果的。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日