25年産米 今年産と同水準の683万t 米価上昇で需要減見込む 米の需給見通し2024年10月30日
農水省は食農審食糧部会を10月30日に開き米の基本指針を示した。2025年産の主食用生産量は683万tと24年産米の生産数量見込みと同水準とする指針を示した。

23/24年の主食用米の需要量は705万tで確定した。昨年10月に策定した基本指針では682万tと見通していたが、23万t増えたことになる。
農水省は、その理由としてパンや麺などに比べて米は価格が上がらず値頃感があったことや、1等比率の大幅な低下で精米歩留まりが悪化したこと、さらにインバウンド需要の増加を挙げていた。
一方、年間10万t程度の減少トレンドを示す人口と一人当たり消費量から推計する手法によると24/25年の需要量は674万tとなり、この6月末までの1年間の需要実績705万tから30万t程度落ちることになる。
この推計値を需要量見込みとする理由について、農水省は過去の米価と需要の関係を上げる。
2008/09年の需要実績は前年比▲31万t(▲3.1%)だった。08年産米の精米小売価格(コシヒカリ)は5kgで2615円で前年比+5円(+0.2%)だったが30万tの需要減となった。
2012/13年は前年比▲32万t(▲4.0%)で12年産米の精米小売価格(コシヒカリ)は5kg2587円で前年比+92円。+3.7%の上昇だったが、需要が大きく下がった。
2020/21年はコロナの影響で精米小売価格は前年より下がったものの、業務用需要が大きく減退したために前年比▲20万t(▲2.7%)となった。
24年産米の相対取引価格は60kg2万2700円と前年産に比べて+7409円となっている。10月の小売物価(東京都区部)で5kgのコシヒカリは前年同月比+60%の3787円となっている(総務省小売物価統計)。
農水省は6月までの需要増の要因としていた「値頃感」はすでにないと見て、過去に需要減となった年度の動向をふまえても674万tの需要量見込みは妥当とみる。また、1等米比率(9月30日現在)で77.3%と過去5年平均の73.2%と同水準となり、24年産米では精米歩留まりが改善する見込みだ。昨年のような歩留まりの低下による需要増という要因もないと見ている。
需要量を674万tと見込むと、来年6月の民間在庫は162万tと今年6月末の在庫量153万tより10万t程度増える見込みだ。需要量に対する在庫率は24.0%。今年6月末の在庫率21.7%を上回ることから端境期に向けた在庫量としてひっ迫感のない水準とみる。
一方、25年産の主食用生産量は今年産の予想収穫量と同水準の683万tする。主食用米の作付面積は125.9万haで前年産より1.7万ha増えた。農水省は683万tの生産量は24/25年の需給見通しに「過不足はない」生産量として今年産と同水準の生産量とした。
来年度(25/26年)の需要量はトレンドによる算定で663万tと10万t程度下がる。需要量が見込み通り推移すれば2026年6月末の民間在庫量は182万tと適正とされる180万t~200万tの範囲となる。在庫率は27.4%。
ただし、農水省は来年1月下旬に食糧部会を開き、改めて需給見通しを諮問する。年明けには24年産米の収穫量が確定することや、精米歩留まりや在庫、消費の動向を見極め必要なら指針の見直し案を提示する。
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