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農政:与野党の政策責任者に聞く「どう進める? 今後の農政」

【与野党の政策責任者に聞く 今後の農政】社民党 衆議院議員 吉川はじめ幹事長 「TPP水準」に警戒2019年8月23日

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市場開放路線の転換を

--参院選で何を訴えましたか。

吉川はじめ 安倍農政の6年半で農業が非常に厳しい状況に置かれていることを痛感し、新自由主義的な安倍農政は現場とかなり乖離していると感じました。そこで、強引なやり方をする今の農政のあり方、TPPや日米の事実上のFTAによる市場開放路線は一刻も早く転換していかなければならないと訴えました。
 とくに訴えたのは、戸別所得補償制度の復活と法制化、対象品目の拡大です。こうした政策を基盤に暮らせる農業を実現すること、それは結果的に食料自給率の向上にもつながります。今の農政によって、いわゆる企業参入型の農業が増えていますが、中山間地域も多く、規模の大小に関わらず農業経営をしっかり下支えをしていくこと、とくに若い世代が希望を持ってやっていける環境をつくっていくような農政にしていかなければならないと感じました。
 現場を回っていると、とくに中山間地域の高齢化はずっと進んでおり、集落営農で一時は持ちこたえたものの、中心の担い手が高齢化で農業を続けられなくなり、そうなるともう集落全体で農業が続けられなくなったという例はいくつも聞きました。一刻も早く今の農政を転換する必要があります。


--選挙を受けた課題は何でしょうか。

 選挙結果は東北4県のほか、大分、愛媛など農業県といわれる地域で野党候補が与党候補に勝利しました。3年前の参院選挙もそうでしたが、安倍農政、あるいは市場開放に対する強い批判、不信感の表れではないかと思います。
 とくに日米交渉がどうなっているのか、まったく見えてこない。6月の日米首脳会談の後のトランプ大統領の発言からすると、すでに何らかの約束をしてしまっているのではないかと不安を感じている人も多いと思います。それから、戸別所得補償制度が完全に廃止になり収入保険制度ができましたが、加入件数目標からは大きく下回る見通しです。農地バンクについても5年間で政府目標の10%強しか達成できていません。
 また、農業者だけでなく子育て世代など若い方から言われたことですが、種子法廃止について強い不安があります。欧米のバイオ企業の種子が大手を振って入ってきて、それしかない、ということになってしまうということへの不安感はみなさん強い。今回の選挙結果にはこのようなことも反映したのではないかと思います。種子法の復活法案は野党で国会に提出しています。
 一方で、このような意識が全体に広がっていないとも思います。アベノミクスで都市部集中の経済政策をずっと続けてきて、地方と都市の格差が大きくなり、貧困層も広がっていることも問題です。いわゆる金融資産を持たない世帯が3世帯に1世帯となり、外国産でも安いものがいい、ということにもなります。食の問題と農業、農政をリンクさせながらどう訴えていくかも課題です。


「利益」だけでいいのか

--基本計画の見直しをどう考えますか。

 基本は食料自給率50%を早期に実現し、そのためにあらゆる資源を活用していくことが必要だということです。
 ただし、食料・農業・農村基本法となっていますが、この3つのことが全部消え、代わりに「利益」になってしまっている。利益を上げる農政しか視野の中に入っていない。安倍総理は農は国の基とよく言いますが、やろうとしていることは利益が上がる大規模化や、民間資本が入りやすいような農業の追求です。これは農業など第一次産業に限ったことではなく、保育分野でもそうです。すべて、官邸のなかにある未来投資会議などが決めてしまう。それも農業を知らない人たちがいかに自分たちが利益を上げることができるか、という視点で下書きをつくっているという構図です。
 本来は実際に農業をやっている方たちの声が反映できるような基本計画、農政でなければなりません。大規模農家に偏重しているやり方ではなく、家族経営も含めた多様な担い手をもとに、国連の家族農業10年の動きとも連携しながら、持続可能な農業の道筋を描く基本計画にしていかなければならないと考えています。

--日米交渉がヤマ場と言われています。

 非常に不透明な交渉であり、トランプ大統領が素晴しい結果になると言ったということは、つまり日本が大幅に譲歩させられるということではないか。日本がかたくなに譲歩しなければ「素晴しい結果」にはならないですから。ディールを得意とする、と自称している大統領ですから、内容が非常に危惧されます。
 政府は盛んにTPPで受け入れた水準が最大限だと主張しますが、そもそもTPPの水準がどういうものなのか。国会決議に違反し、TPP水準そのものに問題があるのに、その中にあれば大丈夫だというのは詭弁だと言わざるを得ません。
 もう1つ気になるのは、たとえば牛肉は関税を発効後16年で38.5%を9%へと段階的に下げていくことになっていますが、これはすでにTPP11でスタートしています。ではアメリカは、このスタートからでいいということを認めるのか。最後は追いつくにしても、アメリカは他国より関税引き下げが遅れるわけで、それをアメリカが認めるとは到底思えません。
 アメリカの要求で他国と同じように関税が一定程度引き下がった段階からスタートすることで合意するとなると、これはTPP水準ではない、ということになります。TPP水準ということを言えば免罪されるような言い方をしていますが、TPPは年数をかけて徐々に関税を引き下げていくという過程も含めてTPP水準なのであって、ただ単に最終的な関税率という数字だけがTPP水準ということではありません。


--農協改革をどう考えますか。

 政府が農協、協同組合の改革を云々するというのは明らかな越権行為です。組合員が集まって協同組合が作られているわけですから、それに対してああしろ、こうしろというように政治、とくに政権が押し付けるというのは協同組合の理念そのものから逸脱をしているし、やってはいけないことだと思います。
 仮に問題があるとすれば、第三者的なものが提言をまとめて、それを農協側が組合員に諮っていきながらやっていくべきものです。
 政権側が言っているのは、効率一辺倒の議論で市場原理に基づいてやれということですが、これは本来の農協というものを解体することにつながりかねないと思います。
また、准組合員の利用制限ですが、コープは組合員だけしか利用できない、医療生協も組合員しか診療が受けられないといったことは聞いたことがありません。これは協同組合の全面否定で断じて認められないことです。
 コンビニも郵便局もない地域では農協は重要なインフラの一翼を担っていると思います。それが儲からないから撤退するとなったら住民サービスの低下につながりかねない。原則として組合員の意思に基づき自主的、自発的に改革すべきで、政府が強権的な改革論議をするというのは筋違いです。わが党としては協同組合運動の理念に基づいて今後の運動を続けていきたいと考えています。


(関連記事)
・【与野党の政策責任者に聞く:どう進める? 今後の農政】野村哲郎自民党農林部会長(19.08.08)
立憲民主党・亀井亜紀子農林水産部会長(19.08.20)
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