秋特集:国生国産PC
バイデン農政と中間選挙
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_病害虫情報2021
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_JAまるごと相談室
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
FMCヘッドSP:エクシレルりんご
FMCセンターPC:ベネビア®OD
プリロッソ粒剤オメガ:FMC(SP)センター

農政:バイデン農政と中間選挙

【バイデン農政と中間選挙】高まる米国農家の不安~選挙前に減少へ転じた対中輸出量【エッセイスト 薄井寛】2022年11月9日

一覧へ

中国共産党第20回全国代表大会が開幕した10月16日、習近平国家主席は活動報告のなかで食料安全保障の基盤強化に言及し、「総農地面積を1億2000万ha以下に減らさないという責任を確実に実行していく」と、決意を表明した。

ラニーニャ現象で干ばつ長期化も

一方、中間選挙目前の米国では、農家や農業関係者の不安をあおるような情報が次々に報じられている。

一つはミシシッピ川の水位低下だ。前号でも触れたように、同川の支流と上中流域における9月以降の少雨のため、ミズーリ州やテネシー州の中流域で水位が低下。10月下旬には渇水の河川区域が400キロを超え、水位は通常より3メートル以上下がって1988年の記録を塗り替えた。
そのため、運搬用バージの連結数の削減や鉄道・トラック輸送への部分的な転換を余儀なくされ、輸送費が大幅増。輸出の遅れも出始めている。
支流のテネシー川などでは10月下旬からダムの放水が行われ、一部地域では降雨も記録されたが、困難な状況は続きそうだ。
国立海洋大気庁が10月20日、ラニーニャ現象による中西部と大平原の乾燥状態は12月~2月期も続くと予報したのだ。これが的中するなら、日本などの食料輸入国への影響も出てくるだろう。

二つ目はドル高だ。米国の穀物・大豆価格は現在、5~6月の記録的なピーク時から20~30%下がっているが、ドルは過去1年ほどの間に多くの外国通貨に対し30~40%以上も高騰。通貨安の日本や韓国では米国産の穀物などが依然割高なのだ。

このため、次に示す2022/23年度の米国の輸出に関する農務省の予測(10月12日)は悲観的だ。

〇トウモロコシ:ブラジルとアルゼンチンがそれぞれ1400万トン、150万トン増やして4650万トン、4100万トン。米国とウクライナは600万トン、1150万トン減らし5700万トン、1550万トンへ。
〇大豆:米国の前年度比300万トン減の5565万トンに対し、ブラジルは995万トン増で世界1位の8950万トン。通貨安のアルゼンチンも280万トンから700万トンへ急増させて世界4位へ。
〇小麦:2020/21年度に2660万トンへ増えた米国の輸出は21/22年度に2150万トンへ激減。22/23年度も同水準だ。ウクライナも昨年度の1880万トンから1100万トンへ減らし、ロシアが900万トン増で世界1位の4200万トンへ。
〇牛肉・仔牛肉:順調に増えてきた米国の輸出は14.0%減って139万トン(枝肉換算)。世界1位のブラジル(298万トン)との差はさらに開く。

なお、小麦の輸出価格(農務省10月10日)は米国が459ドル(トン当たりFOB価格)、アルゼンチン420ドル、ロシア327ドル、豪州376ドル。これでは米国の輸出が減る。

増える米国農業の懸念材料

三つ目は一部の途上国による輸出市場での躍進だ。

特にインドの輸出は急増している。2020年、インドの農産物輸出額は320億ドル(米国の22%)を超え、世界の10大輸出国へ仲間入りした。21/22年度には500億ドルを突破したとも伝えられる。
農業の規模拡大や港湾施設の近代化などの輸出振興策が大きな効果を生んでいるのだ。

世界の主なコメ輸出国の輸出量

特に米の輸出は2011/12年度以降、ベトナムを抜いて世界1位。22/23年度の輸出は1900万トン(世界市場の36%)、2位タイ(820万トン)の2倍を超すと米国農務省は予測する(表参照)。
牛肉・仔牛肉の輸出(148万トン)も米国を上回って世界3位。小麦(輸出量400万トン)やトウモロコシ(同280万トン)の輸出も伸びてきた。

インドネシアも植物油の市場で世界1位を堅持する。3000万トン超(92%がパーム油)の輸出量は世界市場の35%。同国とマレーシアを中心に急増したパーム油の輸出量は今や、米国などの大豆油の輸出量のほぼ4倍だ。

この他、カザフスタンの小麦(輸出量約800万トン)やパラグアイの大豆(約600万トン)なども米国の輸出市場へ食い込んでいる。

米国農業にはもう一つ懸念がある。収量低下の可能性だ。

NPO組織の環境保護基金(EDF、本部ニューヨーク)は10月19日、「気候変動が米国のトウモロコシ、大豆、小麦の収量へどう影響するか」と題する研究書を公表した。
そのなかでEDFは、「アイオワ州のほぼすべての郡で2030年までにトウモロコシの収量が少なくとも5%減、半分の郡で10%落ちる。ミネソタ州の半分の郡では大豆の収量が5%以上、17%の郡で10%以上低下する」と警告。米国農業にとって気候変動対策が喫緊の課題だと訴えた。
バイデン政権は気候変動対策を目玉政策に掲げ、農業分野でも大規模なパイロットプロジェクトの実施を決めるなどの対策を進めている。だが、農家の経済的なメリットはまだまだ先のことだ。

中間選挙直前の11月初め、新たな懸念材料が出てきた。米国農業の最大の輸出市場である中国の〝米国離れ″現象だ。

農務省の貿易統計(11月3日)によると2022年度(昨年10月から9月)、中国への農畜産物の輸出量は前年度比15.2%減(大豆6.3%減、トウモロコシ27.3%減、豚肉64.5%減)。主な輸出品目が軒並み減った。
この第1の要因は中国経済の成長鈍化による需要減か、中国の輸入先の多元化か、それとも米中関係の悪化なのかは定かでない。
だが、こうしたネガティブな情報が次々に広まるなかでは、与党民主党が中西部などの農業州での中間選挙で敗北する可能性は大きくなる。

最新の記事

右上長方形:Z-GIS・SP

みどり戦略

クミアイ化学右カラムSP

注目のテーマ

注目のテーマ

住友化学右正方形SP:2023

JA人事

JA共済連:SP

注目のタグ

JAバンク:SP
topへ戻る