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【JA改革の本質を探る】「農業補助金」とは安全保障のため 国民の命を守る食料守れ(上)2016年9月29日

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TPPの落し穴輸出増大は空論
鈴木宣弘
東京大学教授

 基本的に制度というのは一部の人々に利益が集中しすぎないように公平・公正を保つために作られているから自分だけが儲けたい人にはじゃまなのである。そして一部に利益が集中しないように相互扶助で中小業者や生活者の利益・権利を守る協同組合などの組織は、「今だけ、金だけ、自分だけ」には最もじゃまな障害物である。そこで、「既得権益」「岩盤規制」と攻撃して、それを壊して市場を奪って私腹を肥やそうとしている。

◆「岩盤に穴」は農業つぶす

鈴木 宣弘 東京大学教授 TPP(環太平洋連携協定)の影響を勘案しなくても、現状の政策体系では農村現場は苦しいのに、TPPを進め、岩盤(所得の下支え)をなくす農政改革、農業組織(JA、農業委員会など)の解体などが進められたら、現場はどうなってしまうのか。それなのに、TPPの影響は軽微だから抜本的対策はしない、むしろ、競争にさらせば輸出産業になると空論を展開するのは、「農家は潰れても構わない」と言っているのに等しい。国民にとっても命の危機である。


◆食料は武器 エサも標的に

 収入保険を経営安定対策かのように提示しているが、これは過去5年の平均米価が9000円/60kgなら9000円を補填基準収入の算定に使うので、所得の下支えとはまったく別物だ。基準年が固定されず、下がった価格を順次基準にしていくのだから「底なし沼」である。米国では強固な「不足払い」(所得の下支え)があり、収入保険はそれに付け足されているだけなのに、収入保険だけを取り出して米国を見本にしたというのは間違いである。
 我が国では、国家安全保障の要(かなめ)としての食料の位置づけが甘い。米国ウィスコンシン大学の教授は、農家の子弟が多い講義で「食料は武器であって、日本が標的だ。直接食べる食料だけじゃなくて、日本の畜産のエサ穀物を米国が全部供給すれば日本を完全にコントロールできる。これがうまくいけば、これを世界に広げていくのが米国の食料戦略なのだから、みなさんはそのために頑張るのですよ」という趣旨の発言をしていたという。戦後一貫して、この米国の国家戦略によって我々の食は米国にじわじわと握られていき、いまTPPでその最終仕上げの局面を迎えている。


◆おとがめなし 米国の補助金

 米国のコメ生産コストはタイやベトナムの2倍近い。それでも1俵4000円で輸出し、農家にはしっかり作ってもらうために「1万2000円との差額はいくらお金がかかっても補填しますよ」というたぐいのことをやっている。それに比べたら、日本の農業が過保護などというのは間違いである。日本の農家に輸出補助金はあるか。ゼロである。米国は穀物3品目だけでも、多い年は実質1兆円である。どうやって競争できるのか。日本の農産物は美味しいけれど高い。これを補助金ゼロで売る。米国は安い物をさらに1兆円の補助金をかけて安く売りさばいているのだから。しかもTPPでも米国の補助金はお咎めなし。日本は垣根を低くして、米国の補助金漬けの農産物で潰されようとしている。
 また、日本の農家の所得のうち補助金の占める割合は4割弱で、先進国では最も低いほうである。かたやEUの農業所得に占める補助金の割合は英仏が90%前後、スイスはほぼ100%。「これが産業か」と言われるかもしれないが、命を守り、環境を守り、国土を守っている産業を国民みんなで支えるのは当たり前なのである。それが当たり前でないのが日本である。


◆どこへ行った 食料の自給率

 米国では、我が国の稲作に匹敵する酪農は「公益事業」(必要な量の牛乳が必要なときに供給できないと子供が守れないから海外には依存できない)と言われ、酪農家に最低限支払われるべき加工原料乳価は連邦政府が全国一律に決め、飲用乳価に上乗せすべきプレミアムも約2600の郡別に政府が設定している。さらに、2014年から「乳価マイナス餌代」に最低限確保すべき水準を示して、それを下回ったら政府からの補填が発動されるシステムも完備した。
 このような状況で、日本の農業は過保護だからTPPで競争にさらせば輸出産業になると言っていたら、本当に最後の砦まで失い、息の根を止められてしまいかねない。それでも「既存の農家は潰れても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲けられる農業をやればよい」と言う。それで、どうやって国民に安全な食料を安定的に供給できるのか。軍事による安保ばかり強調して食料自給率をないがしろにする人達は国家安全保障の本質を理解していない。

・「農業補助金」とは安全保障のため (上) (下)

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