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農政:農協研究会第15回研究大会

【報告2】転換するEU共通農業政策 平澤明彦 農林中金総研基礎研究部長2019年5月21日

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20190521 農協研究会第15回研究大会 平沢氏平沢氏

 

 EUにおける家族農業と共通農業政策(CAP)の関係、そして現在のCAPと今後の方向の3点を述べる。労働力の過半が家族労働であることを基準にすると、規模は10aから数百haまであるが、EUの農業は、その96%が家族農業である。家族のみの経営は93.7%を占めており、CAPは家族農場を前提とした農業政策である。家族農業はEU社会の要請でもある。家族農場に有益と見なされている施策は、(1)小規模向けの各種優遇、(2)生産者組織の振興、(3)世代交代の支援、(4)条件不利地域向けの支援などであり、いずれも強化の方向にある。 CAPの第1の柱は価格・所得政策であり、介入買入れや生産調整などの市場政策と所得支持(直接支払い)がある。CAPは直接支払いを基本としたものであり、農業の多面的機能を前提にしたデカップリング政策として採用した。それ以外の施策は第二の柱である農村振興政策として束ねられている。
 一方で、中東欧諸国を含めEUの拡大に伴い、EU予算・CAP予算をめぐる東西対立が発生し、財政面で厳しくなった。かつてはEU予算の大部分を占めたが、長期的に低下し、2020年で3割強にとどまっている。
 予算維持のためにも、EUにとってCAPは、農業者の要求を満たすだけでなく食料の安全保障、環境、地域的均整にとって戦略的な重要性を増している。このため直接支払いは、過去の生産実績に基づいて面積単価を定める過去実績方式を廃止した。これによって予算の再配分が可能となり、農業者間の格差を是正するとともに、生産者のためだけでない公正性や多面的機能のため、直接支払いの対象を絞り込み、目的別に分化させた。
 加盟国共通として従来の単一支払いのほか、環境対策を前提としたグリーニング(環境親和化)支払い、青年農業者支払いなどがつくられたほか、加盟国による任意の支払い制度もできた。中小経営への上乗せなど、従前の単一支払いから7種類に分化し、従来の農村振興政策と重複する面も見られる。
 次期CAP改革の方向は、一層の分権化が進み、CAP予算の削減圧力の強まりが予想される。その背景にはイギリスのEU脱退による財源不足、難民・軍事など優先課題との競合、気候変動への対応が求められることがある。
 2017年の欧州委員会によるCAP改革概要案「食料と農業の未来」によると、CAPの今日的意義として、家族農業経営の意義、政策目標としての食料安全保障、農業の多面的機能、完全な自由貿易には耐えられない部門の存在などに言及している。

 

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