農業ワーキンググループを新設 規制改革会議2013年8月5日
政府の規制改革会議(議長:岡素之住友商事相談役)は7月26日の会合で今後の会議の進め方や審議事項などを決めた。本会議では最優先案件として「農地関連規制の見直し」を審議する。また、ワーキンググループ(WG)に「農業」を新設した。農業WGの審議テーマは9月の本会議で正式に決まるが、農協改革も事項になることも予想され注視が必要だ。
◆来年6月に答申
26日の会合では本会議として取り上げる最優先案件がほぼ了承された。農地関連規制の見直しのほか、「保険診療と保険外診療」で併用療養制度の検討」、「介護・保育事業」で社会福祉法人や株式会社、NPOが同じ土俵でサービスを競い合うための環境づくりを決めた。本会議で委員全員で審議することになっている。
農地関連規制の見直しは、担い手に農地を集約するために農水省が打ち出している農地の「出し手」と「受け手」結びつける「農地中間管理機構」の創設も含め、農業の成長産業化のための取り組みを「規制改革の観点から」検討し提言を行うことにしている。
同時に会合では「農業」と「貿易・投資等」の2つのワーキンググループ(WG)の新設も決めた。貿易・投資WGはEUとのEPA(経済連携協定)交渉が進んでいることから、それに関連した規制改革を審議する。
◆会議は月1?2回
一方、農業WGの審議事項は今後の議論で決まる。8月22日に第14回会合が開催される予定で、そこでWGのメンバーが決まる。ただ、座長には金丸恭文・フューチャーアーキテクト代表取締役会長兼社長、座長代理には浦野光人・ニチレイ相談役が決まっている。いずれも本会議の委員。また、専門委員には本間正義・東大教授、渡辺美衡・カゴメ取締役執行役員らが内定している。
農業WGは22日の本会議後に第1回会合を開き審議事項案を決める見込みで、9月開催の本会議で正式に決定される。規制改革会議事務局によると農協改革がテーマにもなり得るという。
規制改革会議は今後、月1?2回を基本に開催する予定。来年6月の答申をめざすが、中間とりまとめを出す可能性もある。また、農業に限らず規制改革に関する広い議論を喚起するため、公開ディスカッションを開く方向でテーマや方法などを検討していくことにしている。
安倍政権は「日本再興戦略」のなかで成長戦略に農業を盛り込んだ。これは政府の産業競争力会議の議論がもと。安倍政権では、規制改革会議も含め官邸で農政が議論される会議体が多い。しかし、農業政策は食料・農業・農村基本計画が基盤となっている。審議会では基本計画の見直し議論は始まっていないが、7月25日に開催された本審議会でJA全中の萬歳章会長は「農政は基本計画のなかで進められるべき。官邸に会議体がいろいろあるが、この審議会が基本」と強調した。
(関連記事)
・保険の"組織力"を実感(2012.07.19)
・【現地ルポ・JAこうか】担い手組織の多彩な役割で地域を支える(2013.01.09)
・TPPでなぜ「共済」が問題になるのか? 米国の保険ビジネスの狙い(2012.05.16)
・震災遺児の進学支援 カゴメなどが基金つくって寄付金募る(2011.09.28)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日
-
農業高校生研修を開催 秋田北鷹高等学校、増田高等学校の生徒が参加 JA全農あきた2025年7月8日