農薬登録制度の国際調和に取り組む 農薬工業会賀詞交換会2017年1月10日
農薬工業会は1月5日、東京・大手町の経団連ビルで賀詞交歓会を開催し、会員企業や農業関係者ら多数が出席し今年の抱負などを語り合った。
開会にあたって平田公典会長があいさつ。国内外の農薬業界の動向について触れるとともに、昨年は佐賀県の大雨はじめ自然災害によって、農作物被害が増大し、「早期発見、適切な防除の実施がなければ農業被害の拡大を招くことが再認識され、防除体制の強化、防除薬剤への要望に的確に対応する重要性を強く感じた」と語った。
国の「農業競争力強化プログラム」の第1項に「生産資材価格形成の仕組みの見直し」が明記され、農薬については農産物輸出も視野に入れた登録制度の国際調和の方向性が示されている。工業会としては「この課題について真摯に受け止め、継続的に研究開発に投資して、高品質な農薬を安定して提供し続けることにより、総合的に農業生産コストを低減することを使命として取組んでいく」とした。具体的には、大型規格の導入や省力化に資する播種同時処理が可能な箱施用剤、種子処理剤や無人ヘリへの適用拡大などをよりいっそう進めていくつもり」だと話した。
来賓としてあいさつした瀬川雅裕農水省消費・安全局農産安全管理課長も、政府のプログラムでは、「農薬について、農産物輸出も視野に入れた国際対応がとくに重要であり、国はジェネリック農薬の登録のあり方も含め、農薬取締法の運用を国際標準に合わせる方向で、抜本的に見直すとしている」と指摘。その議論の過程で「日本農業を強くするためには、農業を取り巻く関連作業が国際競争力を持ち、強くなっていかなければならないという点も浮き彫りになった」と語った。
そして「安全性の確保を大前提として、これまで進めてきた、農薬登録制度の国際調和をたゆむことなく推し進めていくことが必要であると改めて考えている」とした。農水省では昨年10月に農薬原体の規格の設定とそれに基づく品質管理という新しい仕組みを導入するための省令改正を行い、本年4月から施行する。農薬登録を効率的に行うための作物群の設定、ジェネリック農薬の登録において先発農薬試験データの一部を利用できるルールの導入について、「29年度からの施行に向けいま準備をしている」とも語った。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































