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2020.02.14 
いちご灰色かび病が多くなると予想 病害虫発生予報第10号一覧へ

 農林水産省は2月12日、「令和元年度病害虫発生予報第10号」を発表した。

 向こう1か月の主な病害虫の発生予察情報(発生予報)によると、野菜類では、いちごの灰色かび病の発生が東海、四国および北九州の一部の地域で多くなると予想されている。このほか、トマトのコナジラミ類などの発生が多くなると予想される地域があるため注意を呼びかけている。

 果樹や茶では、翌作期の病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、翌春の発生を抑制することが重要。感染落葉やり病部を除去し、土壌中に埋没するなど、適切に処理すること。また、ハダニ類およびカイガラムシ類の発生が多かった園地では、粗皮削りを行うことをすすめている。

 詳細は次のとおり。

【水稲】
◆ヒメトビウンカ防除が重要

 昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に行い、健全な種子を使った育苗に努めること。特に、いもち病では、一部の薬剤で感受性の低下が見られるため、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に効果の高い薬剤を選定し、種子消毒を実施する。

 縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病で、経卵伝染により次世代にも媒介が継続されるため、同虫を対象とした防除を実施することが重要。近年、発生量が増加傾向にある地域では、冬期間中にイネ科雑草の除去および再生株(ひこばえ)のすき込みを行い、同虫の越冬量の抑制に努める。

 また、近年、同ウイルスの保毒虫率が高まっている地域では、育苗箱施用剤による防除の実施についても検討する。


◆ジャンボタニシ拡散に注意
 スクミリンゴカイ(ジャンボタニシ)は、用水路のほか、ほ場内の土中に潜り込んで越冬する。今冬は12月以降、東・西日本を中心に気温がかなり高く、今後も2月にかけて、北日本から西日本の気温は平年より高いと予想され、越冬量が多くなると予想される。播種または移植前までの対策として、都道府県が発表する発生予察情報などを参考に、耕うん等による越冬貝の密度低減や、用水路から水田内への侵入防止対策を実施する。
 なお、耕転機などの農機具に付着した泥とともに、スクミリンゴカイが他のほ場へ拡散する事例が報告されている。農機具の泥はよく落としてから移動させるよう、心がけること。

【野菜・花き】
◆いちご灰色かび病、ハダニ類を的確に防除
 「いちご」は、灰色かび病の発生が、東海、四国および北九州の一部の地域で多くなると予想。長崎県と大分県では注意報が発表されている。同病は気温20度前後の多湿条件で発病が助長されることから、換気などにより施設内の湿度調節に努める。また、同病は一部の薬剤に対する耐性菌の発生が確認されている。伝染源となるり病部は早期に除去するとともに、都道府県の発表する発生予察情報などを参考に効果の高い薬剤を選定し、散布むらがないよう的確に散布する。

 また、ハダニ類の発生が、四国と北九州の一部の地域で多くなると予想されており、佐賀県と長崎県では注意報が発表されている。同虫は発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、発生初期をとらえた防除が重要。ほ場の観察をきめ細かく行い、適期の防除を実施する。さらに、同虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。農薬散布のみならず、天敵による生物的防除など各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。


◆「きゅうり」コナジラミの発生が多いと予想
 「きゅうり」は、コナジラミ類の発生が、四国と北九州の一部の地域で多くなると予想。同虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られている。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施すること。また、同虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。農薬散布のみならず、天敵による生物的防除など各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。


◆「たまねぎ」暖冬でべと病が増加か
 「たまねぎ」は、べと病の発生が、北九州の一部の地域で多くなると予想。長崎県では注意報が発表されている。今年は暖冬傾向で、越年り病株の初発時期が早く、り病株が増加するおそれがある。ほ場を見回り、り病株の抜き取りを実施するとともに、都道府県が発表する発生予察情報等を参考に薬剤防除を的確に実施する。


◆「トマト」コナジラミに各種手段を組み合わせた防除を
 「トマト」は、コナジラミ類の発生が、北関東、近畿と四国の一部の地域で多くなると予想。同虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られている。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。また、薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。

【果樹】
 果樹や茶では、翌作期の病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、翌春の発生を抑制することが重要。翌春までの間に、感染落葉やり病部を除去し、土壌中に埋没するなど適切に処理すること。また、ハダニ類とカイガラムシ類の発生が多かった園地では、粗皮削りを行うとともに、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に薬剤防除を的確に実施する。

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