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農薬:防除学習帖

有機防除暦8ベタ掛け無し【防除学習帖】第133回2022年1月14日

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現在、ホウレンソウの有機農業防除暦の作成にあたり、は種から収穫に至るまでに必要な防除をどのような資材を選んでいくか検討しており、前回までに防除対象の害虫と有機JASで活用できる物理的防除法、生物的防除、耕種的防除およびそれらを駆使しても防除が難しい場合に使用できる農薬等の資材を紹介し、実際のホウレンソウ有機栽培暦(ベタ掛け資材使用)の作成を試みた。

前回の暦はベタ掛け資材を作期全般に使用して害虫のほとんどを防除する方法であったので、今回はベタ掛け資材無しの防除暦について検討してみたい。

は種時期は、前回と同様に病害虫被害の多い作型として春まき(5月中下旬は種)を選択し、防除対策を検討した。

1.ほ場の準備
(1)雑草対策(は種前)
これは、ベタ掛け有りの場合と同様に以下の対策を行う。

除草剤が使用できないので、寒い時期に荒起こしをし、できるだけ雑草の密度を減らしておく必要がある。畝立ての際の耕起は丁寧に行い、耕起前に生えている雑草を土中にすき込む。このことをほ場準備編に荒起こしをは種時の実施事項に耕起を記載した。

(2)苗立枯病(5月下旬)

これも前回と同様に以下の対策を講じる。

苗立枯病は、一旦発生すると土壌中に病原菌の耐久体が長く残るので、前作で被害が発生した場合は、①土壌還元消毒による土壌消毒を施す、②アカザ科以外の作物を数年栽培した(輪作期間を終了した)ほ場に変えるか、③田畑輪換(畑を一旦水田状態にして畑で発生する病害虫を窒息死させる)を実施したほ場に変えるなどの対処が必要である。

苗立枯病のように土壌に長く残る病害は、ホウレンソウを作付けし続けることで発生量が増えて安定した収穫が望めなくなるので、できるだけ早めに①~③のいずれかで対処を行う。

2.は種後の防除

問題はは種後の防除である。ベタ掛け資材が無いため、ホウレンソウが飛来性害虫(シロオビノメイガ、ハスモンヨトウ、ヨトウムシ)や空気伝染性病害(うどんこ病)や雨媒感染性病害(べと病など)の脅威に晒される。

これらを防除するためには、有機栽培で使用できる農薬を使用しかないので、まずは作成する有機栽培暦の防除対象とした病害虫に使用できそうな農薬をピックアップしてみた。

これらを使用した防除対策を対象病害虫ごとに検討してみる。

(1)チョウ目害虫

ホウレンソウを加害するチョウ目害虫には、シロオビノメイガ、ハスモンヨトウ、ヨトウムシがあり、ホウレンソウのような葉物野菜にとって商品価値を大きく低下させる厄介ものだ。

これらを防除する農薬には、フェロモン剤とスピノエース顆粒水和剤がある。

フェロモン剤は、昆虫の性フェロモンに似た構造の物質を作物の周辺に漂わせて交尾を阻害し、不妊とし幼虫を発生させずに被害を防止する方法である。成分自体は化学合成品であるが、作物に直接散布されることがなく、作物への残留などすることがないため有機農業でも使用できる。

ただし、チョウ目の種類ごとに性フェロモンの構造が異なるため、害虫種ごとにフェロモン類似物質が必要になる。ヨトウガ対象にはコナガコンプラス、ヨトウコンH、コンフューザーVが、ハスモンヨトウ対象にはヨトウコンH、コンフューザーVといった製品があるが、残念ながらシロオビノメイガ対象の性フェロモン製剤は今のところ無い。

このことから、ハスモンヨトウとヨトウガを対象にコンフューザーVを使用し、シロオビノメイガ対象には発生した時に緊急的にスピノエース顆粒水和剤を使用する体系とする。ただし、抵抗性害虫対策面からも切り札として使用は1回限りとする。

その他、チョウ目対象としては除虫菊乳剤があるが、同剤は小型チョウ目対象で残念ながらヨトウガ等の大型チョウ目害虫には効果が低く、お勧めできない。

(2)アブラムシ

アブラムシは、気門封鎖剤(澱粉、脂肪酸グリセリド、還元澱粉糖化物)での防除を行う。これらは虫体にかからないと効果を示さないので、発生初期に虫の体にかかるように丁寧に散布する。

本稿では、幅広い害虫に効果を示すサンクリスタル乳剤(脂肪酸グリセリド)を採用する。

(3)ネキリムシ

ネキリムシ防除には、耕種的防除法しかない。ネキリムシは、カブラヤガやタマナヤガという夜蛾(ヤガ、夜活動する蛾)の幼虫のことを指し、発生の最初は土中で越冬した老齢幼虫であり、それが気温上昇とともに羽化し、雑草やホウレンソウに飛来して葉に産卵する。ネキリムシは雑草を好むため、産卵場所となるほ場の周辺の雑草を丁寧に除草(草刈り機等)することでネキリムシのホウレンソウへの飛来を減らすことができる。

(4)べと病

降雨などによって跳ね上げられた土とともに病原菌がホウレンソウに付着して発病する。降雨が続くような場合には、無機銅剤(コサイドボルドー1000倍)を葉裏に十分かかるように丁寧に散布する。無機銅は予防効果のみなので、必ず発生前に散布しておく。

(5)苗立枯病

土壌に苗立枯病の病原菌が存在すれば、土壌を介して発生するので、もし苗立枯病が発生した場合は、収穫終了後に土壌還元消毒を実施するか、ほ場の変更を検討する。

以上、有機栽培に使用できる農薬を中心に防除を組み立ててみたが、コストがどうなるのかを検討しておく必要がある。次回、これらの有機栽培暦のコスト面での検証を行ってみたい。

有機栽培(ベタ掛け資材無し)で使用できる農薬一覧

【2022/1/21追記】
エコピタ液剤(還元澱粉糖化物液剤)は、2021年までに製造した製品は有機JASに適合した製品であるが、有機JASに適合した原材料の入手が困難になったため、2022年に製造したものから有機JAS不適合となった。そのため、2022年の生産現場では、同じ商品名で適合のものと不適合のものとが混在することになり、混乱をさけるため、2022年製造品ラベルに「有機JAS不適合」であることを明記することになった。ついては、本年エコピタ液剤を有機JAS規格で使用する場合は、よくラベルをみて有機JAS不適合であるとの記載がないか確認して使用するようにしてほしい。このように、適合・不適合が時に変わることがあるので、使用資材を選ぶ場合は、最新情報を確認するようにしてほしい。

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