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農薬:防除学習帖

みどり戦略に対応した防除戦略(4)育苗箱処理剤における対策【防除学習帖】第210回2023年7月29日

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令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にKPIをクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上で、みどりの食料システム法のKPIをクリアできる方法がないかを探ろうとしている。
現在、水稲栽培を種子消毒、播種・育苗期、移植、生育期、収穫期の5つに分け、その時期の農薬の使用場面ごとにみどり戦略対策の方向を探っている。今回は育苗箱処理剤における対策を検討する。

1.育苗箱処理剤の使用場面

育苗箱処理剤の処理時期は、大きく分けて播種時処理、田植え3日前~田植え当日処理、田植え同時処理の3つの方法があるが、いつ処理するかは、農薬の使用量に影響はない。

ただ、現在の育苗箱処理剤の多くは、長期残効型の殺菌剤と殺虫剤の組み合わせで作られていることが多く、その多くが3成分を含有しているものが多い。その有効成分ごとのADI値によってリスク換算量が異なってくるが、成分数が多いほど、リスク換算量の総量が多くなるのはあきらかだ。

ただ。単純に有効成分が少ない育苗箱処理剤へ変更するのは、効果面で得策ではなく、1作全体でリスク換算量を考えなければならない。なぜなら、 長期残効型の有効成分と作型の組み合わせによっては、長期に本田での防除を省略できる場合もあるからである。

例えば、いもち病であれば育苗箱処理1回で穂いもちまで効果を示すといった具合である。その場合、従来、本田防除剤と空中散布で防除を行っていた場合は、育苗箱処理1回で本田期のいもち病防除を省略し、化学農薬の使用量を減らすことができる可能性を秘めている。

もちろん、リスク換算値を比較してみないとわからないが、場合によってはそのような戦略も取り得るということだ。

このように育苗箱処理剤の使用は水稲作全体のリスク換算総量に影響を与えると考えてよいだろう。

2.育苗箱処理剤の主な有効成分とリスク換算量

育苗箱処理剤の場合、製剤によって様々な有効成分の組み合わせがあるので製剤毎に比較していきたい。代表的な製剤について、その有効成分ごとにリスク換算量を算出し、製剤ごとのリスク換算量計を算出した(下表)。

当然のように有効成分含量が多い有効成分はリスク換算量も多くなり、有効成分数が多い製剤のリスク換算量計は多くなった。

剤別の有効換算量計で比較すると、例示したもののうち、最小がD剤の11.8、最大がA剤の86.1であった。これをもとに、防除効果の面などを無視してリスク換算量だけをもとに単純に考えると、A剤をD剤に切り替えるだけで約86%も減らせることになる。

しかし、A剤もD剤も3成分(虫2成分、菌1成分)の製剤であるが、構成する成分は1成分を除いて異なるので切り替えることにより今まで効果を発揮していた害虫への防除圧が無くなり、従来なかった被害が起こることもあり得る。

このため、育苗箱処理剤の検討を行う場合は、単純なリスク換算量による比較ではなく、現場ごとに防除に必要な有効成分は何かを十分に吟味した上で必要な対策を講じる必要があるだろう。それを行うためには、育苗箱処理剤に用いられている成分とそれを含有する製剤ごとに吟味していく必要があるだろう。

育苗箱処理剤の10aあたり有効成分量・リスク換算量

3.育苗箱処理剤における対策の考え方

前述したが、育苗箱処理剤は、水稲作の防除全体を左右するものであるので、本来は本田防除のあり方も含めて整理しなければならない。しかし、その検討は、ひと通り各分野の個別検討を済ませてから統一的に考えてみようと思う。なので、今回は育苗箱処理剤に限っての対策を検討してみる。

育苗箱処理剤だけで考える場合、残念ながらリスク換算ゼロの有効成分がなく、その対策は、有効成分使用量(リスク換算量)の小さい薬剤へ変更するしか方法がない。

その方法とは、まず防除対象の病害虫を決めて、それに対応できる育苗箱処理剤を並べて、リスク換算量を計算し、これまでの防除実績やコスト等も加味して比較しながら、できるだけリスク換算量が小さい方に切り替えれば減らすことができる。

例えば、表の例では、A剤からC剤やD剤に切り替えればリスク換算量を4分の1とか5分の1にすることができる。しかし、育苗箱処理剤は、できれば病害虫への効果を最優先にして考えて選択するようにしてほしい。

なぜなら、防除の基本であり、防除対象に収量や品質に影響を与えるものが含まれているからである。ここでは、あくまで減らすとすればそういう方法もあり得る程度に考えてほしい。詳しくは、全体の検討の際にもう一度検討したい。

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