農薬:年頭のあいさつ2021
【年頭あいさつ】食糧確保と持続可能な農業に貢献 日本曹達株式会社 執行役員農業化学品事業部長 溝口正士2021年1月5日
日本曹達株式会社執行役員農業化学品事業部長
溝口正士
明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年は新型コロナウィルスだけではなく、鳥インフルエンザやウンカ、海外ではサバクトビバッタなど、バイオハザードの年となりました。新型コロナの対策として、治療薬やワクチンの開発が急がれていますが、効果や安全性の試験結果には個人差があり、短時間での承認の判断は容易ではなく、国ごとに進捗が異なっています。また、コロナ検出にはゲノム編集が活用されているそうですが、昨年ノーベル賞を受賞したこの技術も、作物の品種改良に利用された場合の安全性については各国の判断が異なっています。科学的な議論の中で影響が無いことの証明の難しさに加え、各国の主義や国民性、政策も関係しているのかもしれません。
翻って農薬について考えてみますと、個人差があっても農薬使用者や農産物消費者すべての方に、決して影響が無いようにしなければなりません。このために、膨大な科学的データを基に、個人差を十二分にカバーする基準が設定されており、正しい使用法を守れば安全で安心して使えるようになっています。同じ科学的データを基にしても国や地域によって判断や考え方が異なる場合がありますが、農薬各社は人体や環境に対する安全性の試験を積み重ねて、各国それぞれの基準に合う農薬を開発し、安全な使用方法を普及しています。弊社は研究開発型の農薬企業として、農薬工業会の活動を通じて、農薬の安全性について正しい情報をお伝えするよう努力していく所存です。
さて日本曹達は2020年に創立100周年を迎えました。今後の長期ビジョンの中で、農薬事業の「アグリカルチャー」、医薬品や食品加工用に使用されるセルロース誘導体を中心とする「ヘルスケア」、水処理、資源リサイクルや有害物質除去の各種技術による「環境」、情報・電子分野向けの樹脂添加剤や半導体用フォトレジスト材料となる高機能性ポリマーなどの「ICT」の4分野を企業価値向上のためのマテリアリティ(重要課題)として取り組んでいます。農薬では、自社開発品として昨秋の殺ダニ剤"ダニオーテ"に続き、今春には殺菌剤"ミギワ"を上市予定です。効果的で安全、安心な使用方法を普及し、旧来の製品と併せて食糧確保と持続可能な農業に貢献してまいりますので、一層のご支援を賜りたくお願い申し上げます。
最後に、本年は新型コロナや鳥インフルエンザが終息し、農業生産にとって良い年となりますよう祈念し、ご挨拶とさせていただきます。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす病にSDHI剤耐性菌が発生 北海道2025年12月25日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】基金初発動1.2万トン削減 なお過剰重く2025年12月25日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年12月25日 -
米価高騰に対応、「4kgサイズの米袋」定番化 値ごろ感出し販売促進 アサヒパック2025年12月25日 -
協同組合の価値向上へ「鳥取県宣言」力強く2025年12月25日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】トランプ再来の嵐 自国利益に偏重2025年12月25日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ日本は食料難の経験を教科書から消したのか?2025年12月25日 -
すべての都道府県で前年超え 2024年の県別農業産出額 トップは北海道2025年12月25日 -
【農と杜の独り言】第7回 祭りがつなぐ協同の精神 農と暮らしの集大成 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月25日 -
国連 10年に一度「国際協同組合年」を決議2025年12月25日 -
秋田と山形の3JAが県越え連携協定2025年12月25日 -
日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日 -
26年産の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日 -
笹の実と竹の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第370回2025年12月25日 -
茨城県で鳥インフル 97万羽殺処分へ 国内10例目2025年12月25日 -
ホットミルクと除夜の鐘 築地本願寺でホットミルクお振舞い JA全農2025年12月25日 -
JA共済アプリ・Webマイページに「チャットボット」機能を導入 JA共済連2025年12月25日 -
5県9JAの農産物・加工品を販売 第46回マルシェ開催 JA共済連2025年12月25日 -
短期プライムレートを年2.125%に引き上げ 農林中金2025年12月25日 -
栽培支援のグリーンに投資 データ活用の高度化で気候変動対策や担い手育成支援 アグリビジネス投資育成2025年12月25日


































