広がる生協の「地域見守り協定」2014年4月11日
日本生協連によると、市町村など自治体と「地域見守り協定」の締結を進める生協が増え、協定数は昨年3月末の2.9倍677となっている。
◆前年比2.9倍
全国の生協では、毎週同じ曜日(夕食宅配は週5日)の同じ時間に、同じ担当者が地域を回り、商品を届けている宅配や夕食宅配を実施しているが、その利用者は912万世帯以上におよぶという。
こうした事業では、一人暮らしの生協組合員や高齢者と直接会う機会が多いという特長を活かして、自治体などと「地域見守り協定」を締結する生協が増えている。協定の内容は、担当者が配達の際、組合員や高齢者などの異変に気付いた場合、事前に取り決めた連絡先に速やかに連絡・通報を行うというもの。
この協定の締結件数は今年3月末現在で、全国39都道府県の80生協と自治体などとの間で677件となっている。昨年3月末では、28都道府県の41生協231件だったので、生協数で1.9倍、協定締結数で約2.9倍へと拡大している。
◆人命救助の実例も
締結市町村数は503で、これは全国の市町村数1742の約3割に相当する。
協定締結による通報が人命救助につながった事例もある。神奈川県に本部をおくユーコープとパルシステム神奈川ゆめコープの地域見守り活動で人命救助につながった事例は昨年9月に神奈川県知事から感謝状が贈られている。
またコープさっぽろでは、2012年度の通報事例81件を報告書にまとめているが、その内訳は行政21件、消防・警察11件、電話・再訪問確認49件など多岐にわたっている。
このほか、コープみらいは昨年11月に埼玉県と「廃棄物不法投棄の情報提供に関する協定」を締結した。これは、宅配(コープデリ)の配達担当者が県内で廃棄物の不法投棄と思われる現場や行為を発見した場合、行政窓口に通報するというものだ。
コープこうべでは、12年5月に神戸市と「高齢消費者に対する啓発活動に関する協定」を締結、現在は6市と同様の協定を締結している。この協定は、高齢者の消費者被害を防ぐために、夕食宅配の弁当に行政から委託された注意喚起チラシを添付し、利用者本人やその家族に消費者問題の気づきの機会を増やすことで、消費者被害の防止につなげようというもの。
(関連記事)
・GM作物政策、安全性評価不十分 パルシステム (2014.04.09)
・3生協が受賞 食品産業もったいない大賞(2014.03.18)
・6カ月連続前年を超え 主要生協の2月度供給実績(2014.03.24)
・これからも共に生きる 生協が復興支援記録集(2014.03.10)
・【生協組合員の意識動向】「安全・安心」は当たり前、「簡単・便利」へ 生活協同組合連合会コープネット事業連合・赤松光理事長インタビュー(2014.02.18)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日