独居老人、夕食は1人 2015年10月16日
高齢者対象「食生活と食意識に関する調査」アンケート
(株)日本能率協会総合研究所は60~79歳の高齢者を対象に「食生活と食意識に関する調査」を行い、10月15日に公表した。
同アンケートは高齢者の食生活の実態と意識を明らかにすることがねらいで、調査対象の高齢者を生活環境別で▽夫婦のみ、▽こども家族と同居、▽一人暮らしの3つに分けて聴取した。また比較対象のため同じ内容のアンケートを、一人暮らしをしている20代の男女にも行った。
また調査対象の就労状況は、以下のグラフの通りとなっており、今回の調査対象の高齢者のうち3割はパートなどを含めて働いている環境にある。
【就労状況】
◆1人で惣菜食べる高齢者 食事の時間もまちまち
【自宅で夕食を一緒に食べる人】
自宅での食生活について上図のように、一人暮らしの高齢者は1人で夕食を食べる割合が最も高かった。
一人暮らしの高齢者は同居人のいる高齢者に比べ、同じメニューが続く割合が約2倍と高い。ほかにも1日3食食べる割合や、決まった時間帯に食事をとる習慣も減っていることが分かった。
1週間に自宅で手料理を食べる回数に関しては、同居人のいる高齢者の9割が「週に10回以上」と答えたのに対し、一人暮らしの高齢者は7割に留まった。その裏付けをするように、惣菜や弁当の「週に2回以上」の利用は下図のように、一人暮らしの高齢者が同居人のいる高齢者に比べ約2倍となった。
【普段の総菜や弁当の利用頻度】
一人暮らしをしている高齢者のうち男性は、コンビニで弁当や総菜を購入する人が4割を超えていることもわかった。
◆「栄養バランスとれていない」一人暮らしする高齢者に自覚
一人暮らしをしている高齢者の半数は、食生活に対し「栄養バランスがとれていない」と自覚していた。
彼らが普段の食生活で不足している栄養素としてタンパク質、食物繊維、鉄分、カリウム、カルシウムなどの声が上がった。これはカリウム以外、20代の一人暮らしが不足していると感じている栄養素と同じだった。なぜ栄養バランスがとれていないと感じるか理由を尋ねると、8割が「一人暮らしだから」と答えた。他の理由として「毎回きちんと料理を作るのが面倒」「いろんなメニューを作るのが面倒」などがあった。
「栄養バランスがとれている」と感じる同居人のいる高齢者は、8割を越えている。不足していると感じる栄養素に関しても、「不足しているものはない」と答えた人がそれぞれ27%と25%で、これは一人暮らしをしている高齢者の回答の13%に対し、おおよそ倍という結果だった。
◆半数の高齢者が、宅配サービスに興味
食材などの「宅配サービス」について、健康な食生活を送るため利用したいと考えている高齢者は約半数いることがわかった。
特に利用したいアイテムは約7割が「牛乳・乳製品」で、次が「野菜・果物」、その他に魚介類などが続いた。「牛乳・乳製品」の回答が大きく占めたことから、彼らが不足していると感じている「カルシウム」などの栄養素を補おうとしている意識がうかがえる結果となった。
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