GM食品の現状知らない消費者は9割 バイテク情報普及会調査2013年3月7日
バイテク情報普及会は消費者に実施した「遺伝子組換え(GM)食品に対する意識調査」の結果を3月6日公表した。
この調査は、世界的な食料不足が予測されるなか、今後GM作物やGM食品が担う役割はますます重要であるとして、GM食品に対する消費者の漠然とした不安感と低いとされる受容意識の原因、さらには、それらを向上させるための有効な情報を探ることを目的に男女1000人(うち20?40代の子どもを持つ女性500人)を対象に実施した。
GM食品の認知について約9割が「聞いたことがある」としたが、「内容まで知っている」人は約4割だった。
「GM食品」を購入し、食べたことがあるかを聞いたところ、「確かに購入したり食べたことがある」と答えた人は11.2%にとどまった。一方、「たぶんあると思う」43.7%、「たぶんないと思う」27.3%、「わからない」10.4%で、GM食品について「確信」のない回答が約8割にのぼった。
◆安心感、購入意識に変化
この調査では、2段階の事前調査でGM食品に対する受容意識を向上させる効果があった4つの「GM食品に係るキー・メッセージ」(別掲)が与える影響を調べた。
キー・メッセージの効果はGM食品の購入に対する意識の変化に表れた。
メッセージ提示前は「買ってもよい」が35.6%だったのに対し、メッセージ提示後は59%に上昇、とくに子どものいる女性のメッセージ提示前と提示後の受容意識の増加は全体より6.8%高くなった。
また、「買いたくない」「わからない」というマイナス意識もメッセージ提示後は減少した。
メッセージにある事実については9割が具体的に知らなかったとしており、メッセージによって意識が変化した理由として多くの回答者が▽安全審査に様々な専門家が関与していること、▽国の厳しい審査で安全性が確保されていること、▽過去に健康への影響の報告は一件もないこと、などを挙げた。
そのほか、▽日本の食生活を支えていること、▽日本がGM作物の輸入大国であること、への驚きも多かった。
また、約95%がキーメッセージの内容を消費者に伝えるべきとしており、その情報源としてはマスメディアへの期待がもっとも大きくなっている。
バイテク情報普及会はこの調査から、「GM食品の具体的な情報や実態が消費者に届いていないことが漠然とした不安やネガティブな意識を生み出す原因であることが浮き彫りになった」として、「事実を適確に伝えGM食品を安心して消費できる環境づくりが現在の日本には極めて大切だ」としている。
【GM食品に係るキー・メッセージ】
●遺伝子組み換え作物は、遺伝子組み換え技術を用いて品種改良された作物です。
●遺伝子組み換え作物は、食物アレルギー、微生物学、植物学、農学など、各分野の専門家が参画する、国際基準に基づく国の審査によって、安全性が確保されています。製品化されてから17年がたちますが、健康への影響は報告されていません。
●日本は、おコメの国内消費量の倍もの量の遺伝子組み換え作物(大豆、トウモロコシなど)を輸入している、遺伝子組み換え作物の輸入大国です。
●遺伝子組み換え作物は、食用油、コーンスターチ・甘味料などの原料や、家畜のエサとなります。そして私たちが店頭で目にするドレッシングや即席めんなど油を使用した加工食品や飲料、食肉・卵・乳製品など、多くの食品にいかされ、日本の食生活を支えています。
(関連記事)
・GM作物の作付面積1億7000万haに 96年から100倍に増加 ISAAA(国際アグリバイオ事業団) (2013.03.04)
・【シリーズ】 安全な食とは 第8回 遺伝子組換え鮭がやってくる (2013.03.01)
・危機が迫るメキシコの農村 『壊国の契約 NAFTA下メキシコの苦悩と抵抗』の訳者、里見実氏に聞く (2012.09.20)
重要な記事
最新の記事
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日
-
土日が多い曜日まわり、歓送迎会需要増で売上堅調 外食産業市場動向調査3月度2024年4月26日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2024年4月26日
-
淡路島産新たまねぎ使用「たまねぎバーガー」関西・四国で限定販売 モスバーガー2024年4月26日