農業用水路詰まらせる「カワヒバリガイ」 那珂川水系でも発見 農研機構2016年11月24日
農研機構農業環境変動研究センターは11月21日、農業用水路などに被害を与える特定外来生物「カワヒバリガイ」がこれまで生息の確認がなかった那珂川水系に侵入していることを公表した。これまで隣接する利根川水系で生息が確認されていた。


「カワヒバリガイ」は中国・朝鮮半島原産の淡水に生息する付着性二枚貝。水利施設などに定着・増殖して農業用通水パイプなどを詰まらせるなど被害をもたらしていた。2006年に関東地方で初めて生息は報告され、それ以降利根川水系内の広い範囲で生息が確認されていた。
今回侵入が確認された那珂川水系には2009年から14年5月までの調査で生息が確認されていなかったが、同年11月に利根川水系から取水している那珂川水系の貯水池で生息が確認された。この結果をもとにさらに調査した結果、2013年には侵入していたことが明らかになった。那珂川水系と利根川水系は河川によるつながりがないため、水利施設を経由して侵入したと推定される。
那珂川水系への侵入は初期段階と考えられ、農研機構は関係する水利施設管理組織と連携し、貯水池や水路、河川を対象とする生息分布の把握と、冬季に貯水施設の水を抜くなどの駆除対策を進めている。
同機構は今後、発生地から取水している地域の水利施設やその周辺で、侵入状況のモニタリングや施設管理スケジュールに合わせた駆除などの対応が必要となるとしている。
(写真)カワヒバリガイ、那珂川水系の貯水池で定着しているカワヒバリガイ、利根川水系の貯水池で
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