干ばつによる世界の穀物生産被害をマップ化 農研機構2019年7月11日
農研機構は、干ばつによる世界の穀物生産被害の地理的分布を明らかにした。干ばつに対する国際的な支援や対策、また、日本の穀物の安定的な輸入や需給に役立つ。
図1:干ばつによる穀物生産被害の地理的分布
気候変動で気象が極端化する頻度が増加傾向にあり、世界の穀物生産への悪影響が懸念されている。なかでも、干ばつが穀物生産に与える影響を示す詳細な地理的分布は不明だったが、農研機構は、降水量と穀物収量データを解析し、世界で初めて50kmメッシュの高解像度で干ばつによる世界の穀物生産影響の地理的分布を明らかにした。
これにより、過去の干ばつによる穀物生産の被害状況が把握でき、今後の被害量の推定が可能となる。国際的な干ばつに対する支援や対策に加え、日本の穀物の安定的な輸入と需給に役立つという。

図2 :干ばつによる穀物収量減少率と一人当たり国民総生産との関係
また、世界のどこでも降水量データが得られれば、その地点の穀物収量被害を簡単に推定できる。過去の降水量の観測値や将来の降水量の予測値から干ばつによる穀物収量減少薬剤購入費その経済損失額が評価できるようになる。
干ばつは、世界の農業生産において最大の気象災害といえる。農研機構は1983年から2009年まで過去27年間の降水量と穀物収量データを解析した結果、トウモロコシ、米、大豆、小麦といった世界の主要穀物の栽培面積の4分の3に当たる4億5000万haが干ばつによる被害を受けたことがわかった。また、穀物生産被害量と国別の生産者価格から見積もった過去27年間の総生産被害額は1660億ドルに上ったという。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































