病害虫診断の判断の根拠がわかるAI 農研機構が開発2020年1月29日
農研機構は、判断の根拠となる画像の特徴を可視化できるAI(人工知能)を開発した。判断の根拠を明確化し説明できるため、利用者は安心して農作物の病害虫診断などで活用でると期待される。
農研機構が開発したAIは"学習"した特徴を可視化できる。
写真はジャガイモの葉の画像の病気診断の例。
元画像から「病気」の葉の画像と、「健全」な葉の画像を生成しており、
AIが正しく学習できていることがわかる。
農研機構は2018年10月に農業情報研究センターを開設し、AIとビッグデータを活用した農業研究を本格化させている。その研究成果として、画像の特徴を可視化できる新しいAIを開発した。農作物の病害虫診断などでの活用が期待できる。
現在のAI開発で使われる"深層学習(ディープラーニング)"のほとんどは、AIが学習した特徴や、学習に基づく判断の根拠を説明できないブラックモデルとなっている。
AIの利用場面が拡がる中で、人間の意思決定の参考にする場合などでは判断の根拠が必要となるケースが多数あり、判断の根拠を説明可能なAIについて社会的要請が強まっている。
今回農研機構が開発したAIは判断根拠となる画像の特徴を可視化できる。例えば、図のようにジャガイモの葉の画像の病気診断では、元画像から「病気」の葉の画像と、「健全」な葉の画像を生成することができ、生成した「健全」な葉の画像からは"病徴"が消えていることで、AIが病気の特徴を正しく学習できていることが確認された。
農研機構では、このAIをプログラム化し、病気株の検出が特に重要となる、ジャガイモの原原種(元だね)ほ場などへの導入を検討している。また、イネの重要害虫であるウンカ類の種類別計測への適用を試みている。
今回開発したAIは、今後、農業分野をはじめ、根拠が説明できるAIが必要な広い分野での活用が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































