病害に強いイチジクへ イヌビワのゲノム解読 かずさDNA研究所など2020年2月12日
(公財)かずさDNA研究所、農研機構果樹茶業研究部門、国立遺伝学研究所、広島県立総合技術研究所、福岡県農林業総合試験場は共同で、イチジクの近縁野生種であるイヌビワのゲノムを解読した。「株枯(かぶがれ)病」に強い品種改良が期待されている。

株枯病は、土壌微生物が原因で起こる病気で、苗木の移植などで感染が拡大し、発病すると成木でも短期間で枯死し、大きな被害をもたらす。
(写真=イヌビワ 写真提供:農研機構)
イヌビワは、イチジクの生産に大きな被害を及ぼす株枯病に強い抵抗性を持つことから、イヌビワとイチジクを交雑することでこの抵抗性遺伝子をイチジク栽培種へ導入する試みが進められている。
しかし、イチジクとイヌビワの交雑が困難の上に、たとえ交雑できたとしても耐病性の判定に時間と労力がかかるため、幼苗での早期判別が重要となる。さらに、イチジクは雌雄異株なので、品種育成では食用に適した雌株と交配に使用する雄株を早期に選抜する必要がある。
こうしたことから、より効率的なゲノム情報を利用した育種法の開発が求められていた。
今回のかずさDNA研究所などの共同研究は、近年実用化された新しい技術を使って、比較的長いDNA配列を連続して読むことで、効率よくゲノムを解読した。
その結果から、イヌビワとイチジクとの交雑子孫の比較解読を行い、株枯病に強い抵抗性を示す候補遺伝子を同定し、遺伝子型を判定するために使うDNAマーカーを開発した。
将来の波及効果として、▽ゲノム情報をもとにした育種が可能となり、株枯病抵抗性を持つイチジク新品種の育成が加速されること▽イヌビワは株枯病抵抗性の他にも様々な病害虫に対する抵抗性を持っていることが知られており、このゲノム情報が基盤となってイチジク育種に役立つ遺伝子が今後も見つかることが期待できる。
研究成果は、国際科学雑誌The Plant Journalに1月24日にオンライン公開されている。
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