インフルワクチン効果高める作用も 北海道発の新マイタケ生産に成功2020年10月27日
きのこの栽培と小売の渋田産業(北海道桧山郡)は、マイタケの新しいブランド「はなのまいたけ」の生産に成功。北海道立総合研究機構林産試験場(道総研)が開発したマイタケの新品種「大雪華の舞1号」を種菌に同社で生産したもので、「大雪華の舞1号」を種菌とした国内唯一のブランド。また、インフルエンザワクチンの効果を高める アジュバント作用が認められた。
はなのまいたけ
「大雪華の舞1号」は、道総研が平成20年に品種登録(登録番号:第17041号)した新品種のマイタケで、従来品種に比べ食物繊維やβ-グルカンが多く含まれている。マイタケは漢方薬に用いられるほどの医食同源の食材で、古くから健康価値が認められてきた。
道総研で「大雪華の舞1号」の付加価値を高めるために、健康機能性評価を行ったところ、ヒトによるインフルエンザワクチン効果の増強作用「アジュバント作用」が実証された。
アジュバント(Adjuvant)は、ワクチンと一緒に投与しワクチンの効果を高める成分のことで、ヨーグルトにもアジュバント作用が認められている。
研究内容と成果(グラフ)
免疫機能が低めの30歳~70歳未満の男女100人を対象に「大雪華の舞1号」の錠剤と、「大雪華の舞1号」を含まない錠剤(プラセボ)を、インフルエンザワクチン接種前に4週間、接種後に8週間摂取してもらい、体内で産生されたインフルエンザウイルスに対する抗体の量を測定。その結果「大雪華の舞1号」摂取により、ワクチンの効果が低いインフルエンザB型や高齢者で、ワクチン効果の増強作用が見られた。
マイタケは、ハウス栽培が可能な他のきのこと比べ、温度・湿度・換気の管理に手間がかかり、安定的な生産が難しい食材。同社は、天然温泉熱を利用し、環境に配慮した専用施設で生産に成功した。今後は、加工も行うことで「はなのまいたけ」を原料とした様々な食品への有効活用をめざす。
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