Society5.0時代の新しい農業実現へ 「IoPクラウド」始動 高知県2021年1月21日
高知県は「もっと楽しく、もっと楽に、もっと儲かる」農業の実現をめざし、JA高知県、高知大学、高知工科大学、高知県立大学、IoP推進機構、高知県工業会、高知県IoT推進ラボ研究会などと産学官で連携。デジタル技術を活用した農業のためのプラットフォームの核となるデータ連係基盤「IoP(InternetofPlants)クラウド」を始動した。
「IoPクラウド」を核とした「もっと楽しく、もっと楽に、もっと儲かる」農業の実現
同取り組みには、東京大学大学院情報学環の越塚研究室、九州大学、デジタルハリウッド大学と、農研機構など大学や研究機関、また、NTTドコモ、富士通、四国電力などの企業が様々な形で参画している。
「IoPクラウド」は、IoT(InternetofThings)で接続した農業ハウス内の機器データや、高知県全体にわたる農産物の個々の出荷に関するデータなどを、リアルタイムで一元的に集約するクラウド型のデータベースシステム。生産現場となる農業ハウス内の温度、湿度、CO₂濃度、カメラ映像、機器の稼働状況などのデータのほか、JA高知県が持つ農産物出荷量のデータなどがリアルタイムでアップロードされ、互いに関連づけられてデータベースに集約される。
これらのデータを最大限に活用できれば、生産者は要因分析、環境制御ノウハウの磨き上げ、グループでの情報共有、遠隔での監視および制御、自動制御などを行え、自身とグループの技術向上を実感し、共有しながら、より戦略的に効率よく収穫高を上げることができる。
さらに、「IoPクラウド」は、生産者が直接その機能を利用するだけでなく、「高知県やJA高知県による、データの分析に基づいた詳細で即時性の高い栽培指導」「大学等研究機関による、植物体の生理に基づいた成育予測などの研究の実証と実装」「民間企業による、より優れた機能を備えた(スマートな)農業用機器やソフトの開発」など、産学官連携で多方面から生産活動を支援する仕組みの核となる。
「IoPクラウド」APIのイメージ
「IoPクラウド」APIの公開
「IoPクラウド」では、連携(データのやりとり)が可能な機器やソフトウェアの開発を促進するため、そのAPIを公開する。企業は、自社製品を「IoPクラウド」のAPIに準拠させるだけで、製品のIoT化、クラウド適応および標準的なセキュリティ水準を達成することができる。また、「IoPクラウド」の一部をテストベッドとして活用でき、クラウドを自社で保有していなくても製品の開発が可能。APIの公開により、高度な農業用機器やソフトウェアの市場拡大を図るとともに、その高度化を通じて、生産現場でのさらなる作業効率化を図る。
今後の展望
「IoPクラウド」の強みは、アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービス「AWS」など最先端のシステムとセキュリティ技術が使われていることと、数多くの農家の現場のデータがリアルタイムに集まってくることにある。
例えば、出荷に関するデータの集約は当初から約3000戸の農家のデータが対象となっており、令和5年には県内農家のほぼ全てにあたる約6000戸をめざしている。これほど多くの農家がクラウドシステムでつながるのは高知県が初のケースで、日本最大規模といえる。
高知県は今後、一連の活動によるデータ収集や活用のためのノウハウやシステム基盤を、他県や他の一次産業にも広く展開し、日本のSociety5.0の推進への貢献をめざす。
参画組織、企業等一覧
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