リンゴの遺伝情報を可視化 農研機構、東京大学などが共同研究2021年3月1日
農研機構は3月1日、東京大学と九州大学との共同研究で、コンピューターアルゴリズムを利用したゲノムワイドマーカーの情報をもとに、リンゴの起源品種のハプロタイプの遺伝を自動的に追跡する方法を開発したと発表。有望な起源品種のハプロタイプを組み合わせることで、生産者や消費者ニーズに対応した新品種の開発が期待される。
7つのリンゴ起源品種における14種類のハプロタイプ
研究では農研機構が栽培、維持している国内のリンゴ185品種・系統と16の交配組み合わせから育成した659個体を提供。複数のコンピューターアルゴリズムを組み合わせることで、1万1786個のゲノムワイドマーカーの情報から、14種類のリンゴ起源品種のハプロタイプ遺伝追跡方法を開発した。
この手法を用いることで、研究に供試した全リンゴ個体の92%のゲノム領域を14種類のハプロタイプ情報で表すことに成功した。さらに、このハプロタイプ情報を用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)では、果皮の着色が良いリンゴの育成に利用されてきた可能性がある起源品種のハプロタイプを明らかにし、ゲノミックセレクション(GS)予測モデルの評価では、果実のリンゴ酸含量などを高い精度で予測できることが分かった。
研究グループでは、起源品種のハプロタイプ情報を個体の系譜情報と組み合わせて遺伝を可視化することで、リンゴの品種改良の歴史を解明することができるとともに、有望な起源品種のハプロタイプは今後の新品種開発への利用が期待できるとしている。
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