天敵の捕食行動が貯穀害虫の繁殖力を増加 研究成果を発表 岡山大学2021年6月10日
岡山大学の学術研究院環境生命科学学域(農)の岡田賢祐准教授と東京大学大学院農学生命科学研究科の香月雅子研究員、東京都立大学大学院理学研究科の岡田泰和准教授らの研究グループは、貯穀害虫のオオツノコクヌストモドキのメスの繁殖力が、天敵のコメグラサシガメの存在で増加することを明らかにした。天敵の存在によってオスとメスの繁殖が抑制されると考えられているが、従来の定説を覆す発見となる。
オオツノコクヌストモドキは、小麦やトウモロコシなど貯穀を食い荒らす害虫で、本州と九州に分布。オスが大きな大顎を持つが、メスの大顎は発達しない。コメグラサシガメは貯穀害虫の卵、幼虫、成虫の天敵であり、沖縄に分布する。
同研究グループは、貯穀害虫であるオオツノコクヌストモドキのメスの繁殖力が、天敵であるコメグラサシガメによる捕食行動によって、増加することを発見。捕食者が被食者のオスとメスの繁殖力を下げるというのが定説だが、異なる結果を示した。この矛盾はオオツノコクヌストモドキにおけるオスとメスの対立関係に由来する。この成果は、天敵の捕食行動が被食者の形態や繁殖力に影響することを示し、生物進化に関する基礎研究と害虫防除に関する応用研究の両方で役立つ知見として期待される。
同研究成果は6月8日、Nature Communications電子版に掲載された。
オオツノコクヌストモドキのオスとコメグラサシガメ(左:岡田賢祐准教授提供)とオスとメスの写真(岡田泰和准教授提供)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略 現在の技術で実現可能でしょ(4)2024年4月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(7)【防除学習帖】 第246回2024年4月20日
-
土壌診断の基礎知識(16)【今さら聞けない営農情報】第246回2024年4月20日
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日