サツマイモ基腐病に抵抗性 焼酎・でん粉原料用新品種「みちしずく」を育成 農研機構2022年6月24日
農研機構は、サツマイモ基腐病に抵抗性のある、焼酎・でん粉原料用新品種「みちしずく」(旧系統名:九州200号)を育成。主力品種として普及する焼酎原料用「コガネセンガン」よりサツマイモ基腐病に強く、多収で焼酎にした時の酒質は「コガネセンガン」の焼酎に似ている。南九州のサツマイモ産地で、焼酎・でん粉原料用品種として普及する予定。
「みちしずく」の塊根 (令和3年8月12日撮影)
現在、日本で最も多く栽培されているサツマイモの品種は主に焼酎の原料として使われている「コガネセンガン」。焼酎造りが盛んな南九州では、「コガネセンガン」の作付け比率が5割を超えるが、南九州で多発しているサツマイモ基腐病に弱い。茎葉の枯死や塊根の腐敗による収量低下が著しく、生産者の収益減少や焼酎メーカーへの原料供給不足が深刻な問題となっていた。鹿児島県酒造組合は、サツマイモ基腐病の影響により、令和3酒造年度の本格芋焼酎の原料が計画の76%しか確保できない見込みであると明らかにしている。
「みちしずく」と「コガネセンガン」の育成地(宮崎県都城市)
および基腐病発生圃場(鹿児島県鹿屋市)における収量性の比較(令和3年)
農研機構は、「コガネセンガン」よりサツマイモ基腐病に強く、多収の新品種「みちしずく」を育成した。焼酎醸造適性に優れ、酒質(香りと味)が「コガネセンガン」の焼酎に良く似ているため、「コガネセンガン」に代わる焼酎原料として有望。また、でん粉歩留およびでん粉白度も高いため、でん粉原料用としても適している。
「みちしずく」は、南九州のサツマイモ産地で、焼酎・でん粉原料用品種として普及する予定。この春から種いも生産を始めており、2023年には130ヘクタールで、栽培可能な種いも10トンの増殖が見込まれる。
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