【注意報】斑点米カメムシ類 水田内への侵入量が多くなるおそれ 秋田県2022年7月27日
秋田県病害虫防除所は、斑点米カメムシ類の水田内への侵入量が多くなるおそれがあるとして、7月26日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
7月4~5半旬に80地点で実施した抽出ほ場調査における水田畦畔での斑点米カメムシ類のすくい取り数(40回振)は、9.9頭(平年4.1頭)で多く、発生地点率は48%(平年35%)と高かった。そのうち、アカスジカスミカメのすくい取り数は5.7頭(平年2.1頭)で多く、発生地点率は18%(平年19%)で平年並。また、アカヒゲホソミドリカスミカメのすくい取り数は4.2頭(平年2.0頭)で多く、発生地点率は38%(平年28%)で高かった。
同調査における畦畔雑草の発生状況では、出穂したイネ科雑草が21%の地点で確認された。また、出穂したイネ科雑草や新葉が伸びている雑草がある畦畔の斑点米カメムシ類のすくい取り数は、除草が徹底されたほ場と比較して多かった。
県内6地点の予察灯における斑点米カメムシ類の誘殺数は、平年と比較して多く推移。同調査における水田内での斑点米カメムシ類のすくい取り数(20回振)は1.2頭(平年0.6頭)で多く、発生地点率は28%(平年18%)で高かった。そのうち、アカスジは0.4頭(平年0.4頭)で平年並、発生地点率は11%(平年9%)でやや高かった。アカヒゲは0.8頭(平年0.2頭)で多く、発生地点率は21%(平年9%)で高かった。特に、水田内に出穂したノビエやホタルイ類等が発生しているほ場で斑点米カメムシ類のすくい取り数が多かった。
7月21日に仙台管区気象台が発表された東北地方1か月予報によると、向こう1か月の気温は高く、降水量はほぼ平年並と予報されている。以上のことから、今後、斑点米カメムシ類の水田内への侵入量が多くなると予想される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)斑点米カメムシ類の発生が多いことから、本年の薬剤防除は2回散布を基本とする。出穂期(ほ場全体の40~50%が出穂した日)を正確に把握し、適期防除に努める。
(2)1回目の防除は、出穂期10日後頃にアルバリン剤またはスタークル剤を、畦畔を含めたほ場全体に茎葉散布する。
(3)(2)の散布当日から7日後までに畦畔や農道の草刈りを必ず行い、斑点米カメムシ類の増
殖源となるイネ科雑草を除去する。
(4)2回目の防除は、出穂期24日後頃にエクシード剤またはキラップ剤を茎葉散布する。ただし、セジロウンカが多発しているほ場では、可能な限りエクシード剤を選択する。
<その他>
(1)殺虫剤を散布する際は、養蜂業者などと連携をとり、蜜蜂などへの危害防止に努める。
(2)巣箱の設置場所が近接している場合は、蜜蜂が水田に飛来してくることがあるので、蜜蜂の活動が最も盛んな時間帯(午前8時~正午)を避け、できるだけ早朝又は夕方に農薬散布する。
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