【注意報】キャベツ、ハクサイなどアブラナ科野菜に「ハイマダラノメイガ」県内全域で多発のおそれ 兵庫県2022年8月18日
兵庫県病害虫防除所は、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、ダイコン等のアブラナ科野菜に「ハイマダラノメイガ(別名:ダイコンシンクイムシ)」が県内全域で多発するおそれがあるとして、8月12日に病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
ハイマダラノメイガの成虫(体長は約10ミリ)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
県立農林水産技術総合センター(加西市)で実施しているハイマダラノメイガの誘致植物(クレオメ)による調査で、7月第1週以来、花枝への寄生率が平年より高く推移している。7月第4週(7月27日)の調査では、寄生率が51.9%と、平年(15.8%)を大きく上回った。多発年だった2021年(47.0%)および、2020年(52.0%)とほぼ同等で、その後も平年より高く推移している。
クレオメに寄生する幼虫(生長点の食害)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
8月4日に発表された向こう1か月の近畿地方の気象予報では、気温が平年より高く推移すると予想。同種の増殖に好適な条件であることから、発生はさらに増加すると考えられる。
県内のアブラナ科野菜の早期作型では、一部の育苗ほ場で同種の発生が確認されている。今後、野菜類の育苗や本圃への定植(ダイコン等の直播栽培を含む)の盛期となることから、対象作物での被害が拡大することが懸念される。
写真左:食害を受けたキャベツ(定植直後)、写真右:食害を受けたキャベツ。正常に結球しない(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
同種はアブラナ科野菜を特異的に加害し、成虫は体長約10ミリで、生長点付近に1卵ずつ産卵する。また、幼虫は、作物の育苗期~本圃栽培初期では、生長点付近に食入し、葉を綴り合わせて食害する。生育初期に食害されると成長が止まり、キャベツ等の結球野菜では、食害を受けた株は結球しなくなり、商品価値を失うため、1頭でも株に存在すれば減収につながる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇加害を確認してからの対策では手遅れとなるため、発生盛期の8月中旬~9月下旬頃に育苗や播種・定植をする場合は、同種による加害が起こることを前提とした予防的防除に努める。
〇寒冷紗や防虫ネット、不織布による被覆は、成虫の飛来・産卵防止に効果がある。防虫ネットの目合いは、2×4ミリ以下で十分な防除効果が得られる。被覆資材の利用の際は、内部が高温になりすぎないように注意する。成虫は夜間に活動(産卵)するため、黄色灯の利用も飛来・産卵防止効果が期待できる。
〇播種・定植時や育苗期に、粒剤や潅注で薬剤処理をした場合でも、その後の降雨などの条件により、十分な効果が得られないこともある。本圃での発生状況に注意して、必要に応じて薬剤散布を実施する。薬剤散布を行う場合、病害虫・雑草防除指導指針(兵庫県農薬情報システム)等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を遵守する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】とうもろこしにアワノメイガが多誘殺 早めの防除を 北海道2025年7月1日
-
【人事異動】農水省(7月1日、6月30日付)2025年7月1日
-
農水省 熱中症対策を強化 大塚製薬と連携し、コメリのデジタルサイネージで啓発2025年7月1日
-
作況指数公表廃止よりもコメ需給全体の見直しが必要【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月1日
-
【JA人事】JA岡山(岡山県)新会長に三宅雅之氏(6月27日)2025年7月1日
-
【JA人事】JAセレサ川崎(神奈川県)梶稔組合長を再任(6月24日)2025年7月1日
-
【JA人事】JA伊勢(三重県) 新組合長に酒徳雅明氏(6月25日)2025年7月1日
-
米穀の「航空輸送」ANAと実証試験 遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証 JA全農2025年7月1日
-
JA全農「国産大豆商品発見コンテスト」開催 国産大豆を見つけて新商品をゲット2025年7月1日
-
こども園で食育活動 JA熊本経済連2025年7月1日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施2025年7月1日
-
7月の飲食料品値上げ2105品目 前年比5倍 価格改定動向調査 帝国データバンク2025年7月1日
-
買い物困難地域を支える移動販売車「EV元気カー」宮崎県内で運用開始 グリーンコープ2025年7月1日
-
コイン精米機が農業食料工学会「2025年度開発賞」を受賞 井関農機2025年7月1日
-
「大きなおむすび 僕の梅おかか」大谷翔平選手パッケージで発売 ファミリーマート2025年7月1日
-
北海道産の生乳使用「Café au Laitカフェオレ」新発売 北海道乳業2025年7月1日
-
非常事態下に官民連携でコメ販売「金芽米」市民へ特別販売 大阪府泉大津市2025年7月1日
-
農作物を鳥被害から守る畑の番人「BICROP キラキラ鳥追いカイト鷹」新発売 コメリ2025年7月1日
-
鳥取県産きくらげの魅力発信「とっとりきくらげフェア」開催 日本きのこセンター2025年7月1日
-
鳥インフル 英国チェシャ―州など14州からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2025年7月1日