「多細胞生物」糸状菌の細胞つなぐ穴を制御 多数の因子を発見 農研機構ほか2023年3月20日
東京大学大学院農学生命科学研究科の丸山潤一特任教授らの研究グループは東洋大学情報連携学部の中村周吾教授らと共同で、糸状菌(カビ)の細胞間連絡について多数の制御因子を発見することで新たな制御メカニズムを解明。多細胞での細胞間連絡の獲得にともなう遺伝子進化を明らかにした。
糸状菌は多細胞で、細長い細胞が「隔壁」により仕切られて連なった菌糸を伸ばして生長している。隔壁には「隔壁孔」と呼ばれる小さな穴があき、これを介して隣り合う細胞どうしが連絡している。
この細胞間連絡は、動物・植物のような多細胞生物として共通する性質で、真核生物のなかでもっとも単純な構造で始原的な細胞間連絡と言える。糸状菌の細胞間連絡の制御メカニズムについては、糸状菌特異的なオルガネラWoronin body(オロニン小体)が物理的にふさいで遮断するという程度の知見のレベルだった。
同研究グループは、細胞間連絡を制御する因子の探索を目的として、多細胞の糸状菌に特異的に存在する機能未知遺伝子を選択し、網羅的な細胞内局在解析を行った。そのうち隔壁に局在するタンパク質の機能を調べた結果、最終的に23個の細胞間連絡の制御因子を発見した。
以上のことから、糸状菌の細胞間連絡について新たな制御メカニズムを解明するとともに、多細胞での細胞間連絡の獲得にともなう遺伝子進化を明らかにした。同研究の知見により、糸状菌の形態的特徴にもとづいた産業利用における機能改変や、病原性防御に応用されることが期待される。
同研究成果は3月17日(英国時間)付けで『Nature Communications』誌に掲載された。
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