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気象衛星で植物の熱中症を診断 植生の乾燥状態を詳細に検出 千葉大学2023年5月17日

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千葉大学国際高等研究基幹/環境リモートセンシング研究センターの山本雄平特任助教、市井和仁教授らの国際共同研究グループは、気象衛星「ひまわり8号」から観測された地表面温度の日変化情報を活用することで(図1)、従来手法よりも詳細に植生の乾燥状態を検出できることを明らかにした。

図1:気象衛星ひまわり8号による植物の乾燥化検出の概略図図1:気象衛星ひまわり8号による植物の乾燥化検出の概略図

同手法により、異常気象によって植物が受ける高温/乾燥ストレスの検出や、農業や林業でのより詳細なリスク管理、森林火災の早期発見が可能となる。また、ひまわり8号と同等の観測スペックをもつ他国の気象衛星にも展開することで、急速な環境変動をグローバルで把握できるようになり、気候変動対策や環境保全への貢献も期待される。

「ひまわり8号」は、高頻度観測を得意とする衛星で、同7号からの観測機能が向上したことにより、晴天日の地表面温度を10分毎に観測できるようになった。一般的に地表面は乾燥すると温度変化しやすくなり、日変化のピークは早まる(図1右上)。また、植物は乾燥によるストレスを受けると気孔を閉じて蒸散速度を下げるため、さらに温度が上昇しやすくなる。これらの関係に着目して地表面温度の日変化情報を活用できれば、分光植生指標とは異なる新たな視点での植生モニタリングが期待できる。

同研究では、日変化情報を日最高温度・日較差・ピーク時刻・冷却時定数などで表した。これらの情報は、ひまわり8号で観測された晴天日の地表面温度をもとに、DTC(日周温度サイクル)モデルという半経験モデルで推定される(図1左上)。衛星から観測された地表面温度には、雲の混入によるノイズや一時的なデータ欠損が含まれることがよくあるが、DTCモデルに当てはめることでこれらを補間できる。

2018年の夏に日本周辺で発生した猛暑を対象に、どの日変化情報が乾燥状態の検出に有用であるかを、土壌水分量や潜熱量、光合成量、分光植生指標との関係に着目して調べた。

図2:2018年7月16日~8月5日の猛暑時における日較差、日最高温度、土壌水分量、分光植生指標(EVI)の平年値からの偏差図2:2018年7月16日~8月5日の猛暑時における日較差、
日最高温度、土壌水分量、分光植生指標(EVI)の平年値からの偏差

主な研究成果は次の通り。

○日最高温度と日最低温度、日較差は安定的に推定できる一方で、ピーク時刻や冷却時定数は地形斜面の向きや観測角度による影響を受けやすく、複雑地形の多い日本での適用は困難であることが分かった。
○猛暑による日較差の増大は土壌水分量や潜熱量の低下に対応し(図2上)、分光植生指数が低下した地域では日最高温度の上昇がみられた(図2上)。日較差と日最高温度を活用することで、分光植生指標で判別が困難なレベルの乾燥シグナル(大規模な枯渇や変色には至っていないが、乾燥化が起きている状態)を検出できることが示された。
○同手法を気候条件の異なる地域に拡張したところ、特に半乾燥地域において、日最高温度と日較差の増大に応じて光合成量が低下する傾向もみられた。植物は日中の高温・乾燥環境において光合成活動を休止(昼寝現象)。この現象を衛星から広範囲に検出することは困難だったが、同成果によって、新たに検出できる可能性が示された。

同成果は4月10日、国際学術誌『Remote Sensing of Environment』にオンライン掲載された。

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