【注意報】普通期水稲に穂いもち 県内全域で多発のおそれ 大分県2023年8月9日
大分県農業研究部病害虫対策チームは、普通期水稲にいもち病(穂いもち)が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月8日に令和5年度病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
いもち病(葉いもち)の初期病斑(左)、停滞型病斑(中央)、進展型病斑
(提供:大分県農業研究部病害虫対策チーム)
7月31日~8月3日に実施した巡回調査では、葉いもちの発生圃場率、平均発病度ともに平年よりやや高かった。発生圃場率は47.5%(平年:38.9%、前年:40.0%)、平均発病度は5.8%(平年:4.5%、前年:3.2%)だった。
農業研究部の予察田(豊後大野市三重町赤嶺)における8月4日の調査で葉いもちの発生は、ひとめぼれで発病株率は平年より高く、平均発病度は平年並。また、ヒノヒカリで発病株率、平均発病度ともに平年より高かった。発病株率は、ひとめぼれ100%(平年63.8%、前年84.0%)、ヒノヒカリ94.7%(平年65.8%、前年48.0%)。また、平均発病度は、ひとめぼれ25.0%(平年25.7%、前年84.0%)、ヒノヒカリ23.7%(平年16.6%、前年4.8%)。
イネ葉いもち発生予測モデル(BLASTAM)によると各アメダス観測地点での葉いもち感染好適条件や準好適条件は、7月上旬に県内広範囲で感染好適日が出現している。また、7月中下旬には県内広範囲で準好適条件も出現しており、葉いもちの多発生につながったと考えられる。
同病は、冷涼、少照条件が発病に好適で、特に、出穂期と曇雨天が重なった場合には、葉いもちが伝染源となり、穂いもちが多発すると予想される。福岡管区気象台が8月3日に発表した1か月予報によると、平年と同様に晴れの日が多く、降水量は平年並または多い確率ともに40%。日照時間は、平年並が30%で、少ない確率が40%と予想されている。
穂首いもち(左)と枝梗いもち(提供:大分県農業研究部病害虫対策チーム)
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇葉いもちの発生が多い場合は、直ちに防除を行い、穂肥を控えめに施用する。
〇穂いもちの防除は、穂ばらみ期と穂揃期の液剤または粉剤による2回散布、あるいは、出穂約2週間前の粒剤施用と穂揃期の液剤または粉剤散布を基本とする。出穂期を見極め、防除適期を失しないよう注意する。
〇穂肥の過剰投与は、同病の発病を助長させるため、注意が必要。
〇防除薬剤は、大分県農林水産研究指導センター農業研究部病害虫チームホームページ内「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」を参照し、農薬使用基準(使用時期、使用回数等)に注意する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日
-
農業高校生研修を開催 秋田北鷹高等学校、増田高等学校の生徒が参加 JA全農あきた2025年7月8日