【特殊報】トマトキバガの誘殺 県内の農耕地で初めて確認 兵庫県2023年10月16日
兵庫県病害虫防除所は、トマトキバガTutaabsoluta(Meyrick)を県内の農耕地で初めて確認。これを受けて、10月16日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。

写真1:フェロモントラップで誘殺されたトマトキバガ成虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
兵庫県病害虫防除所によると、10月3日に県立農林水産技術総合センター(加西市)内に設置しているトマトキバガ侵入調査用のフェロモントラップにおいて、疑義成虫1頭の誘殺が確認された(写真1)。農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、10月6日に、県内で未発生のトマトキバガであることが確認された。
兵庫県では、7月に瀬戸内海沿岸部の非農耕地で成虫の捕獲事例があったが、農耕地周辺で発生が確認されたのは今回が初めて。なお、県内では10月10日までのところ、トマト圃場において同種の幼虫は確認されていない。
トマトキバガは2021年に熊本県のトマトほ場で初めて確認されて以降、これまでに兵庫県を含め28道県で発生が確認されている(10月10日現在)。
成虫(写真1)は、翅を閉じた状態で体長約5ミリ(開張約10ミリ)。前翅は灰褐色の地色に黒色斑が散在し、後翅は一様に淡黒褐色。幼虫は、1齢~4齢までの生育ステージがあり、4齢(終齢では約8ミリになる。体色は淡緑色~淡赤白色で頭部は淡褐色。前胸の背面後方に黒色の横帯がある。主な寄主植物はトマト、なす、ピーマン、ばれいしょ等のナス科植物で、マメ科のいんげんまめも寄主植物として確認されている。
1年に複数世代を繰り返し、環境条件によっては年に1012世代に及ぶこともある。卵~成虫になるまでの期間は24~38日程度。成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多く、雌は一生のうちに最大約260個の卵を寄主植物の葉裏などに産み付ける。幼虫は寄主植物を摂食した後、土中や葉の表面で蛹化する。
被害の特徴として、トマトの茎葉では、内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道が形成される。葉の食害部分は表面を残して薄皮状になり、白変や褐変する。果実では、幼虫が食入するため、果実表面に数ミリ程度の穿孔痕が生じるとともに内部組織が腐敗し、果実品質が著しく低下する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。
〇発生を拡大させないため、被害葉や被害果実をほ場に放置せず、土中深くに埋没するか、ビニル袋などに入れて密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させた後に処分するなど、適切に処理する。
〇現在、トマト、ミニトマトにおける、同種に対する登録農薬は表のとおり。薬剤散布にあたっては、最新の農薬登録情報を確認し、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統が異なる薬剤のローテーション散布を行う。
表:トマトキバガに登録のある薬剤

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