【特殊報】トマトキバガ 県内で初めて誘殺を確認 三重県2023年10月17日
三重県病害虫防除所は、トマトキバガの誘殺を県内で初めて確認。これを受けて、10月13日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
図1:フェロモントラップで誘殺された成虫(写真提供:三重県病害虫防除所)
三重県病害虫防除所によると10月3日および10月6日、三重県中勢地域に設置したトマトキバガのフェロモントラップにおいて、トマトキバガとみられる蛾の成虫各1頭が誘殺された。三重県病害虫防除所で同定した結果、三重県では未発生のトマトキバガであることが判明した(図1)。その後も継続的に疑義成虫が誘殺されているが、現在のところ、県内では同種による農作物の被害は確認されていない。
トマトキバガは、国内では2021年10月に熊本県で初めて発生が確認され、10月11日現在、計28道県で報告されている。
成虫は翅を閉じた静止時で体長5~7ミリで、触角や脚は特徴的な縞模様。幼虫の体長は終齢で約8ミリで体色は淡緑色~淡赤色。頭部は淡褐色で前胸の背面後方に黒色横帯がある。1年に複数の世代が発生し、繁殖力が高い。また、夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多い。幼虫は1齢から4齢までの生育ステージがあり、土中や葉の表面で蛹化する。
トマト、なす、ピーマン、ばれいしょ等のナス科植物が主要な寄主植物。マメ科のいんげんまめも、寄主植物として確認されている。トマトでは、茎葉の内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道を形成。葉の食害部分は表面のみ残して薄皮状になり、面的に白~褐変した外観となる。果実では、幼虫がせん孔侵入して内部組織を食害するため、品質が著しく低下する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇施設栽培では、開口部に防虫ネット等を設置し、侵入を防止する。
〇トマトキバガと疑われる虫を見つけた場合は、病害虫防除所に連絡する。
〇発生を拡大させないため、薬剤散布を行うとともに、被害葉や被害果実はほ場に放置せず、速やかに土中に深く埋却するか、ビニール袋などに入れて一定期間密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させるなど、適切に処分する。
〇現在、トマトキバガに対して登録のある農薬の適用作物はトマト、ミニトマトのみ。薬剤散布にあたっては、最新の農薬登録情報(農林水産省「農薬登録情報提供システム」)を確認する。
〇防除薬剤は三重県農薬情報システムでも検索できる。
〇薬剤抵抗性回避のため、異なる作用機構の薬剤をローテーション散布する。
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