粒状肥料の深層施肥技術を開発 ケーディビーアイ(株)2023年11月1日
ケーディービーアイ(株)(佛田利弘代表取締役CEO)は10月31日、水稲田植時に土中の浅層だけでなく、深層にも粒状肥料を投入できる技術を開発したと発表した。
佛田利弘氏
同社は2023年4月設立。農業機械の改良などの事業展開をめざす。
今回開発したのは深層施肥のために田植え時に12~15cmの深さの溝を掘るための作溝アタッチメント。このアタッチメントを田植え機に取り付けることによって上段施肥(基肥用3~5cm)と下段施肥(追肥用12~15cm)に粒状肥料を投入できる。8条田植え機に取り付け、条間に4本の溝を作り深層施肥するという仕組みだ。
水稲では長期間にわたって肥効が続く樹脂被膜肥料が広く使われているが、肥料成分が溶け出した後に樹脂殻の一部が河川や海に流れ出していることが明らかとなった。そのため肥料業界団体と全農は、2030年にはプラスチックを含む被膜肥料に頼らない農業実現をめざし、緩効性肥料でのプラスチック被膜殻の流出防止に取り組んでいる。
こうしたなか今回開発した技術について、同社は肥効を持続させ樹脂被覆肥料の代替技術として利用できるとしている。特徴として上下段の肥料の割合を変えることができることや、下段の肥料効率が上がり減肥ができる可能性もあるほか、GHGガス抑制の可能性もあるという。
今年は国内5か所で現地試験を実施し評価している。同社代表取締役CEOの佛田利弘氏は「結果は分析中だが、慣行施肥と同程度の収量が得られる見ている」と話す。
2024年度は国内50か所で現地試験を行い、25年度には1000台程度の現地試験も計画している。発売は26年以降で100万円以内の価格をめざすといい、今後、農機メーカーなど他社との連携も検討するという。
同社は23年のJAアクセラレータープログラムに採択された。11月7日(火)には、東京・大手町のアグベンチャーラボで同社が主催し「社会が求める土中施肥【深肥】技術による水稲施肥のイノベーション」と題したイベントを開く。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】とうもろこしにアワノメイガが多誘殺 早めの防除を 北海道2025年7月1日
-
【人事異動】農水省(7月1日、6月30日付)2025年7月1日
-
農水省 熱中症対策を強化 大塚製薬と連携し、コメリのデジタルサイネージで啓発2025年7月1日
-
作況指数公表廃止よりもコメ需給全体の見直しが必要【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月1日
-
【JA人事】JA岡山(岡山県)新会長に三宅雅之氏(6月27日)2025年7月1日
-
【JA人事】JAセレサ川崎(神奈川県)梶稔組合長を再任(6月24日)2025年7月1日
-
【JA人事】JA伊勢(三重県) 新組合長に酒徳雅明氏(6月25日)2025年7月1日
-
米穀の「航空輸送」ANAと実証試験 遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証 JA全農2025年7月1日
-
JA全農「国産大豆商品発見コンテスト」開催 国産大豆を見つけて新商品をゲット2025年7月1日
-
こども園で食育活動 JA熊本経済連2025年7月1日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施2025年7月1日
-
7月の飲食料品値上げ2105品目 前年比5倍 価格改定動向調査 帝国データバンク2025年7月1日
-
買い物困難地域を支える移動販売車「EV元気カー」宮崎県内で運用開始 グリーンコープ2025年7月1日
-
コイン精米機が農業食料工学会「2025年度開発賞」を受賞 井関農機2025年7月1日
-
「大きなおむすび 僕の梅おかか」大谷翔平選手パッケージで発売 ファミリーマート2025年7月1日
-
北海道産の生乳使用「Café au Laitカフェオレ」新発売 北海道乳業2025年7月1日
-
非常事態下に官民連携でコメ販売「金芽米」市民へ特別販売 大阪府泉大津市2025年7月1日
-
農作物を鳥被害から守る畑の番人「BICROP キラキラ鳥追いカイト鷹」新発売 コメリ2025年7月1日
-
鳥取県産きくらげの魅力発信「とっとりきくらげフェア」開催 日本きのこセンター2025年7月1日
-
鳥インフル 英国チェシャ―州など14州からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2025年7月1日