【特殊報】ブドウにシタベニハゴロモ 県内で初めて確認 滋賀県2023年12月27日
滋賀県病害虫防除所は、ブドウにシタベニハゴロモの発生を県内で初めて確認。これを受けて、12月26日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
写真1:ブドウに寄生したシタベニハゴロモ成虫(写真提供:JAレーク滋賀)(左)、
写真2:成虫(体長 約2.5センチ)(右上)、
写真3:成虫(開張時 約5センチ)(右下)(写真2・3提供:滋賀県病害虫防除所)
滋賀県病害虫防除所によると、高島市の露地栽培のブドウにおいて10月に多数のハゴロモ類が寄生している様子が認められた(写真1)。同所で同定した結果、滋賀県では未発生のシタベニハゴロモであることが確認された。なお、県内では11月22日までに同ほ場以外で発生は確認されておらず、同種によるブドウの枯死や果実への被害も確認されていない。
シタベニハゴロモは、中国本土、台湾、インドやベトナム原産の侵入害虫。日本では、2009年に石川県のニワウルシに初めて発生が確認された。12月26日現在、滋賀県を除く9府県で庭木、街路樹および樹林地において発生が確認されている。
シタベニハゴロモの成虫(写真2および3)の体長は約2.5センチ、翅を広げた長さは約5センチ。前翅はクリーム色、後翅の半分は赤色で、いずれにも黒点が散在する。翅の色合いは、地域によって異なる場合がある。
写真4:ブドウの樹幹に産み付けられた卵塊(左)と、
ワックス状物質に覆われた卵塊(写真提供:滋賀県病害虫防除所)
同種は年1世代のみ発生。繁殖は9月以降に行われ、卵は寄主の根際から枝先まで、広い範囲に産み付けられる。産み付けられた卵は、ワックス状の物質で覆われていることが多く(写真4)、卵のまま越冬し、翌年5月頃から幼虫が発生。幼虫が成虫になるまでの期間は約70日で、7月頃から成虫が発生する。
また、広食性で70種以上の植物を寄主とすることが知られている。主な寄主植物はブドウ、ナシ、ウメやリンゴなどの果樹、ニワウルシ、センダン、アカメガシワおよびサンショウ属などの庭木・街路樹。
成虫は主に樹幹、幼虫は新梢部の枝や葉軸から樹液を吸汁し、植物の生育不良や枯死を引き起こす。加えて、大量の甘露(糖分を多く含んだ排泄物)を分泌することで「すす症状」を引き起こし、果実の汚れの原因となる。葉に多量のすすが発生すると、光合成が阻害されることがある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇12月26日現在、シタベニハゴロモに対して登録のある農薬はない。
〇ほ場内をよく見回り、成虫や幼虫は見つけ次第捕殺する。また、産み付けられた卵塊をそぎ落とす。卵塊は、ほ場外に持ち出し土中に埋めるか、袋に密閉したうえで処分するなど、適切に処理する。
〇施設栽培では、ハウスの開口部に防虫ネット等を設置し、侵入を防止する。
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