カキのわい性台木に利用できる品種「豊楽台」標準作業手順書を公開 農研機構2024年4月11日
農研機構と島根県は、共同で育成したカキのわい性台木品種「豊楽台」の特徴と利用方法をまとめた標準作業手順書を公開した。「豊楽台」台木に接ぎ木した「富有」樹は、一般的な台木に接ぎ木した樹と比べて樹高が低く、樹の大きさも半分程度になり、単位容積当たりの収量が向上するため生産性も高まる。また、高所での作業も減ることからカキの省力栽培、労災軽減に貢献する。
カキは高木になりやすい樹種。生産者の高齢化のため、高品質果実生産に必須の管理作業である摘らい(つぼみを間引く作業)・摘果(果実を間引く作業)や収穫、せん定など脚立を使う高所作業が困難になりつつある。同時に、省力・軽労化、労働災害防止の要望も高まっていることから、接ぎ木によりカキの樹を小型化わい化できるわい性台木が強く求められている。
これまでカキの台木は、種子で増やせる実生苗の台木が利用されてきたが、台木の遺伝的なバラツキが大きいために樹全体の生育が個体により大きく異なるという問題が生じる。そのため、安定したわい性台木の育成には、遺伝的に同一であるクローン苗で生産できることが不可欠となる。
図1:台木の違いによる「富有」樹の生育の差。赤白の縦棒の高さは2m。
「アオガキ」実生台木の接ぎ木樹(左)と「豊楽台」台木の接ぎ木樹
図2:標準作業手順書
そこで、農研機構と島根県は、接ぎ木した樹がわい化して高い生産性を示し、挿し木によってクローン苗を生産できるカキわい性台木品種「豊楽台」を2016年に育成(図1)。このほど、カキの生産者向けに「豊楽台」の接ぎ木した樹のわい化効果、果実品質や生産性を解説した標準作業手順書を公開した(図2)。
「豊楽台」の接ぎ木苗は、日本果樹種苗協会と許諾契約を締結した果樹苗木業者から、2025年秋に販売予定。同手順書の活用により、高生産性で省力栽培でき、労災軽減にも繋がる栽培技術として、まだ普及技術として定着していないカキわい性台木の普及が期待される。
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